雨、飴。《s n r》 (ページ1)

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教師 × 生徒ページ1

「ぁ…センラ先生だ」

放課後、帰路に着くために下駄箱に向かう途中階段の踊り場で複数の女子生徒に囲まれていたのは一人の男性。
女子生徒の「センラ先生好きな人いるの〜？」「先生イケメン〜」などの黄色い声に笑顔で言葉を返しているそれは数学教師の折原センラ先生。

"イケメン"というのには納得できるのだが私は彼に裏があるような、そんな雰囲気があるように見えていたのであまり自分から話しかけるような事はしていなかった。

階段を降りながらセンラ先生を見るとアイドルのファンサービスかのように女子生徒に振舞っている。
モテる男って大変なんだろうな〜なんて呑気なことを思いながら目を逸らそうとすると突然彼がこっちに顔をあげバッチリ目が______あった。

すると先生は目を細めにこやかに微笑んできた。

「っ……」

私はそんな彼にゾクッと鳥肌がたちペコリとお辞儀だけして早足で階段から立ち去った。

___________

___なんであの先生は関係ない生徒にまでサービス旺盛なんだ

そんなことを頭に募らせ廊下を早歩きする。
ふと時間を確認しようと携帯を取るため歩きながら鞄に手を突っ込む。

「…あれ？ない、」

早めていた足を止め鞄をさらに漁ってみるが肝心なスマホが見当たらない。
電車通学で利用しているSuicaも私はモバイルSuicaだ。スマホがなきゃ自宅に帰ることすらできない。

「えどうしよう現金も今日は持ってきてないし、」

もしかしたら教室に忘れてきたのかもしれない。その考えを信じ、先程通った道を戻って行った。