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「で、モテモテのAさんは配ったりしたん？」
『あー…まァ行きに買ったDARSちまちま配ってきたよ』
「ケチくさ」
『…しっかりしたの渡す相手とか居らんもん』
図星だったのかむっとした表情になるAに、それも一理ある、と返した。
背伸びして配り回るより、当日に適当に買ったのを配るくらいが丁度いい。前日から準備するのも年齢的に面倒くささと手間があって嫌だ。
こいつは特に人に対しての対応に差が出るタイプだと個人的には思っているし、今そんな相手が居ないのもなんとなく雰囲気を感じ取っていた。
だからバレンタインにそんな1日を送ったことも別に意外ではない。
『あーでも』
「ん？」
『シャオちゃんちょうど会えたし、コンビニチョコでいいなら…なんかあげる』
「ほんま？」
聞き返すとAは、ほんまー、と微笑んだ。
職場に流れていた義理チョコによる甘ったるい匂いに辟易していたが、友人から貰える分には嬉しいし、食い意地の張ったAからの奢りも久しいように感じる。ついでにアイツらに自慢するのも吝かではない。
考えた末に、有難く受け取る返事をすれば『じゃあこれ持ってね』と紙袋達を渡された。仕方なしにしっかり受け取ると、それを確認したAはさっさと近くのコンビニへと入って行った。
慌てて着いて行けばAは赤やピンクで彩られた菓子売り場に居た。じぃ、と吟味している姿をぼーっと眺める。
暇になってついとAの髪に手を伸ばした。濡羽色の漆黒で社会に溶け込むこいつは普段の様子を顧みるとだいぶ新鮮に感じる。
『なんか着いてる？』
「別に」
『沢尻エリカみたいな返事せんといてや』
何故かチョコ菓子じゃないポイフルを手にしながらAはふは、と笑った。人差し指でくるくると髪を巻き取りながらそんな楽し気な声を聴いた。
「これウィッグ？」
『うん。仕事用の』
「暑くないん？」
『夏は死ぬ』
職場ミスったぁとけらけら笑うAの地毛が、前会った時とはまた変わっているんだろうなとぼんやり考える。確か前は、きらきらした明るい茶色。金色に近い茶色だった気がする。溶けた飴みたいだと思った記憶がある。
記憶を漁っていれば俺が触っているのも気にせずAがふらっと動く。ぱっと手を離せば一瞬こっちに目を向けた後、するする棚の間を移動していった。
こっちお前の荷物持ってて重いし、暇なんすけど、と心の中で悪態を突きながら、Aが消えて行った棚の方へと歩く。
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マジモンの名無し(プロフ) - わかりましたわ！投票していますしておきます (3月13日 10時) (
レス) @page24 id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
スイコン - ニマニマが止まらない!!ずっとホッコリしてましたε-(´∀｀*)更新待ってます!! (2月27日 16時) (レス) @page18 id: 101a9efed5 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんず(プロフ) - ちょい。〜最近kpopはまり中〜さん» ありがとうございます！われみて行けなかった民ですか…仲間ですね…… (2月14日 16時) (レス) id: 76e9b90647 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんず(プロフ) - 猫狗さん» part3まで来ました〜！これからもよろしくお願いします！ (2月14日 16時) (レス) @page8 id: 76e9b90647 (このIDを非表示/違反報告)
ちょい。〜最近kpopはまり中〜 - 続編おめでとうございます！われみて行けませんでした..いきたかった...(泣) (2月12日 12時) (レス) @page4 id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
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