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S side
あぁこれは夢だ。
最近は何回も同じ夢を見てる。
だからわかってるのに。
真っ暗な闇の中に1人ぽつんって立ってて。
なに、ここどこ……って動き回ってたら。
｢うぅ……っ｣
ドキドキしてきて苦しくなって倒れ込んで。
おれ、このまま死ぬの……？
なんて、ほんとにわかってるんだよ
これは夢だって。
なのに起きられない。
起きたい、苦しいよ。助けて。
N｢……うちゃ、……しょう……｣
薄っすら聞こえた声に縋るように目を開く。
｢はぁっ……は、はぁはぁっ｣
N｢翔ちゃん……？ 大丈夫……すぐお医者さん来るからね……｣
起きても心臓がバクバクしてて……。
今まではすぐ治まってたのに中々治まらない、苦し……。
ぼんやりした意識のままにのがいることと、なんかの機械がけたたましい音を立ててることだけを理解する。
医｢薬いれますよ〜。すぐ治まって来ますからね〜｣
｢は、……い……｣
パパっともともと刺さってる点滴に薬のパックを付け足したお医者さんはまた来ますって出ていった。
N｢ちょっとマシになってきた？｣
｢うん……｣
少しだけ余裕が出てきて周りを見渡してみる。
口元には酸素マスク。
身体にはピ、ピって鳴ってる機械と点滴。
N｢それとっちゃだめだよ｣
指先には酸素濃度を測る機械とか付いてて。
｢おれ……｣
N｢ずっと辛かったんじゃない？ 翔ちゃん、撮影終わって倒れたんだよ｣
何でもないようなカオをして話してくれてるけどにのは俺の手を離さない。
N｢背中擦ったら信じられないぐらい早い動悸伝わってくるし……俺人がドキドキしてるの人の身体から感じるの初めてだよ？
そしたらばたばた暴れだして……苦しそうにして。呼びかけにも反応しないし、顔色どんどん悪くなって……怖かった……。
でも、だんだん大人しくなって息も止まりそうになってる翔ちゃん見るのもっと怖かった……！｣
うるうるした色素の薄い目に見つめられて。
｢……ごめん｣
罪悪感が募る。
N｢過労とストレスからくる不整脈って。最近痩せたでしょ……。撮影前も急に意識飛ばしたりしてたし……やっぱり早く病院来とけば良かったよね｣
ごめんね、って頭を撫でられて。
｢にののせいじゃない……迷惑、かけてごめ……っ｣
あぁ気持ち悪い。また息上がりそう……。
N｢ちょ、苦しい？ ……迷惑なんかじゃないから……それ以上考えないよ？ 寝ちゃおっか。ね？｣
｢ん……｣
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作者名：ひな | 作成日時：2018年2月8日 14時
