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O side
｢おっと……よく頑張ったね｣
S｢ん……ｹﾞﾎｹﾞﾎっ……｣
終わりの声がかかると同時にぐらついて。
ぐったりして熱すぎる身体を抱えて車に乗せた。
さっきは返事も返ってきたし大丈夫だ、って思ってたのに。
｢翔くん、今からホテル戻るよ？｣
次に声をかけたときは返事が聞こえない。
N｢翔ちゃん？ わかる？｣
とんとん、ってにのが肩を叩いても返ってくるのは苦しそうな浅い呼吸だけ。
S｢……っげほ、……ｹﾞﾎｹﾞﾎ……っ、ぃた……｣
胸を押さえて力なく咳き込む翔くん。
｢翔くん！？ 胸痛い！？｣
M｢病院行こう！ 様子変だよ！｣
さっきまでカメラの前に立って話してた人とは思えなくて。
マネージャーもメンバーも流石に焦ってる。
S｢……っは、…………はぁっ｣
｢しっかり……深呼吸して！｣
微かすぎる呼吸、悪すぎる顔色。
やだ、こわいよ。
｢翔くん、翔くん！｣
S｢……ぅ、……は、｣
呼びかけにも全然反応しなくて。
病院についた頃には唸り声も聞こえなくなって翔くんの意識は完全に無くなってた。
医｢これ、わかります？ ここの白い影。肺炎ですね。胸痛もあるようだし熱も高すぎる……朦朧としてる様子は無かったですか？｣
A｢いや……｣
さっきまでロケしてたのに……って信じられなくて。
呆然としてる俺達に顔見ていきますか？ ってお医者さんが言う。
力なく4人で頷いて付いていけば酸素マスクとかよくわかんない機械に繋がれたまま眠ってる翔くんがいて。
医｢今日は入院で……明日になったら東京の病院に紹介状を書きましょう｣
って。
O｢今日は俺がついてるからさ。3人はホテル戻りな？ 顔が疲れてるから｣
やだ、心配。って言い張ってた3人。
でも隠しきれない疲労感がにじみ出ていて、マネージャーに押し付けて無理矢理帰した。
S｢ぅ……んん｣
まだまだしんどそうに唸ってる翔くんの熱い手を握る。
明け方、ようやく翔くんの呼吸が少し深くなって安心して俺もそのまま眠ってしまったらしい。
S｢さとしくん？……｣
｢翔くん……｣
寝起きのせいか、熱のせいか、まだぼんやりしてる翔くんに起こされて。
俺、どうした？ って不安そうに尋ねられる。
昨日、翔くん倒れたんだよ。とだけ言えば。
S｢ん……そっ、か……ごめんなさい｣
って。
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作者名：ひな | 作成日時：2018年2月8日 14時
