初恋の相手 ページ16
冬休み、それは思っていたより長くて。蘭たんと遊ぼうかなとか思ったけど、私達は所詮小さな繋がりしかない友達。
連絡先や家なんて知らなかった。
帰りは駅まで一緒に下校したけど、私が降りるより後にある駅で蘭たんは降りるから、どこの駅に行けばいいのかすら知らなかった。
そして今日はとうとう卒業式。
蘭たんと会えるっていうドキドキの一方で寂しいなっていう気持ちもあって、卒業したくないっていう結論になった。
出来れば蘭たんと一緒に。
あまり乗り気じゃない卒業式だけど足は勝手に学校に向かう。ここで歩くのをやめたら卒業しなくていいのかなとか、甘い考えがよぎって本当に自分は子供っぽいなって思った。
教室に着くとみんなは緊張で顔を強ばらせていた。そんな中で蘭たんに挨拶しようと思って探してみる。
すると、蘭たんは簡単に見つかった。
教室の端の方で男の子の友達と話していた。
蘭たんの友達のためを思って、その場から離れる。私は所詮蘭たんのただの友達。友達にも優先順位があるけど私はその下の方だから、その場は男の子に譲ることにした。
結局、蘭たんとは話せないまま卒業式が始まってしまった。もちろん卒業式中も蘭たんとは話せない。本当にこのままバラバラになっちゃいそうで怖かった。
校長先生が何か話していた。けど、それを真剣に聞く余裕は無くて私の目からは大きな涙のつぶがポタリと落ちた。
卒業なんてしたくなかった。
そんなことがあってからあっという間に、卒業式は終わってみんなが帰り始めていた。
私は急いで蘭たんを探した。蘭たんに最後に話したかった。あの約束を覚えていて欲しかった。
走って、走って、息が切れた。
蘭たんは見つからなかった。
もう帰ったんだろう。
私はそこで諦めてかえろうとした。
その時だった。私の視界の端に見覚えのあるくせっ毛が映った。やっと見つけた。
蘭たんは木影にいた。
なんでそんなとこにいるんだろう。近づいた時だった。そこには蘭たんの他にもう1人女の子がいたのだ。
その女の子は顔を真っ赤にして言ったのだ、好きでしたって。その時に私の心のどこかが砕けるような音がした。
酷く胸が痛かった。
そこでやっと気づいたんだ。私は蘭たんに恋をしていたって。
私は急いで走って逃げた。
蘭たんがなんって答えたかなんてどうでもよかった。
私の心はそんなことを考えれないくらいにいっぱいいっぱいで、
それから蘭たんと私は
完全に会わなくなってしまった。
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あるまり(プロフ) - 葉月さん» 返信遅くなってすみません、コメントありがとうございます。夢小説らしくないっていうのは初めて頂いた言葉で、とても嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします。 (2019年1月19日 0時) (
レス) id: 092c2fd24d (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - なんというか……良い意味で夢小説らしくない夢小説というか、純粋に続きが気になる作品で読んでいていつの間にか涙が出て来てしまいました。これからも応援しています。 (2018年12月30日 5時) (レス) id: 87837aefcb (このIDを非表示/違反報告)
あるまり(プロフ) - 碧華(プロ画自作隼)さん» コメントありがとうございます。応援とても嬉しいです。最近は更新遅れていますが頑張りますね。 (2018年10月9日 7時) (レス) id: 092c2fd24d (このIDを非表示/違反報告)
碧華(プロ画自作隼)(プロフ) - 続きがとても気になる作品…。涙が勝手に出てくるくらい素晴らしい物語ですね。続き頑張ってください。応援してます (2018年10月9日 1時) (レス) id: 95ab3548f5 (このIDを非表示/違反報告)
あるまり(プロフ) - はなさん» コメントありがとうございます。そんなふうに言ってもらえてとても嬉しいです。更新楽しみにしててください。 (2018年8月9日 15時) (レス) id: 092c2fd24d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あるまり | 作成日時：2018年5月31日 20時
