あかいろ。 ページ16
僕には、さっきから気になっていたことがあった。
Aの幼なじみの紫がAのことが好きだということはわかった。
でも、Aはあの紫のことどう思っているんだろう。
「そういえばさ、さっき踊っていた人って？」
そう聞くと、Aはさっと顔を赤らめた。
「……さっきの見られていましたか。」
まあ、ね。
本当は見たくなかったけど、あれを見ないでって言われても無理だよ。
ホール中の人が見てたしね。
Aはターンしながら、ゆっくりと口を開いた。
「ただの幼馴染みです。
まったく、咄嗟に受け止めるとかそういうことをさらっとやるからカッコいいんですよね。あいつは。」
……そう、か。
もう我慢できない。
「A。こっち来て。」
Aの右手を掴んで引き寄せ、態勢を崩したAを抱え込んで抱き抱える。
「え、ちょっ!?」
「口おさえて。走るから。」
Aに短くこう言い、ダンスホールを飛び出す。
ねぇ、君は気付いている？
さっきから男どもが君のこと見ているんだよ。
そんなの、嫌だ。
僕は、
君を、僕だけのものにしたい。
「うわぁぁ……。」
腕の中のAが声をあげる。
その目線を辿れば、僕達の上空には満天の星空が。
いつの間にか僕達は中庭に来ていた。
「……綺麗だね。」
「はい！」
Aの体を、ゆっくりと下ろす。
すると、待ってましたとばかりにAの体は前へと移動した。
「なんか、星空って見ていると心洗われる感じがして好きなんです。
綺麗で、キラキラしていて。」
「でも、僕はこの星空より君の瞳に映った星を眺めていたいかな。」
振り向いたAの肩に手をかけ、もう片方の手で仮面を外す。
ほら、綺麗な星が見えた。
「あ、あの……。」
「好き。
Aのことが好き。
この地球上の誰よりも、君のことを愛してる。
確かに一目惚れだから、全然Aのことをわかっていないかもしれない。
でも、そんな君のことをこれから沢山知っていく準備も、君のことならどんなことでも受け入れる準備もできている。
だから、僕と一緒にこれからの人生を歩みませんか。」
「ちょっと待ったぁ！」
……やっぱり。
「お前にっ……Aは渡さへんっ！」
右手の垣根から飛び出した闇に紛れていた紫色を、月の光が淡く照らした。
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ぱか - ｴｯキクラゲって海月じゃないの?!…ｴｯ (2018年2月6日 23時) (
レス) id: a2a00a81c4 (このIDを非表示/違反報告)
たまねぎ - 二人のルートがあって嬉しかったです！ (2018年2月6日 20時) (レス) id: 7ace257b23 (このIDを非表示/違反報告)
宵月(プロフ) - アユさん» コメントありがとうございます！頑張らせていただきます！ (2018年1月7日 17時) (携帯から) (レス) id: f1eeea7ade (このIDを非表示/違反報告)
アユ(プロフ) - すごいおもしろいですな〜。さかたんとまーしぃに取り合いされるとか….ﾟ+.(´∀｀*).+ﾟ.これからも頑張ってくださいね！ (2018年1月1日 8時) (レス) id: 6dddc1df6a (このIDを非表示/違反報告)
宵月(プロフ) - ぷぺるさん» コメントありがとうございます！面白いと言っていただき本当に嬉しいです！頑張らせていただきます！ (2018年1月1日 8時) (携帯から) (レス) id: f1eeea7ade (このIDを非表示/違反報告)
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