愛の結晶

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「お邪魔します」



山岡さんの家に着き、靴を脱ぐとすぐにぎゅっと抱きしめられた。



山岡「辛かったよね。気づけなくてごめんね。よく頑張ったね。よく耐えたね。偉いよAはほんとに。」


優しい言葉にさっきやっと止まった涙がまた出てくる。



でも、、、


山岡「けどね、Aは一つだけ間違った選択をしてる。」


「え？」


固まる私に抱きしめた手を離して真剣に私の目を見てくる。


山岡「卓也くんと別れたこと。
ほんとにそれは間違ってる。なんで大好きなのに別れたの？そりぁあね、負担になりたくないのも分かるよ？
けど、お腹の子は卓也くんの子でもあるでしょ？Aが一人で決めてその意見を勝手に押し付けて別れるなんて間違ってるって思わない？」





山岡さんに言われたことが心にしみてこれまでのたくとの2年間が頭の中をぐるぐるまわる。

喧嘩したこと。仲直りしたこと。一緒に出かけたこと。一緒に寝たこと。一緒に怒ったこと。一緒に泣いたこと。


でも何よりも強く残っているのは、たくの笑顔。
私の大好きなたくの笑顔。



我に返ると、山岡さんは今度はニコッと笑い、

山岡「うちにいていいのは今日だけだからね！しっかり話してそれでも二人が別れるって決断になったらまた来ていいよ。」



そう言って私をまた強く抱きしめてくれた。

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