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永side



紫耀の家に行く前にコンビニに寄って



必要だと思うものを買ってきた



そして少し前にもらった合鍵を使い、紫耀の家にお邪魔する



コンビニの袋をリビングのテーブルに置き



真っ先に寝室へと向かった



ドアを開ければ今にも消え入りそうな声で紫耀は



「…れ……ん?」



と、言葉を発した



「そやで、廉やで…?」



と話しかけて近くに行けば



苦しそうに顔を歪めていた



そうや、俺が本当にしっかりせなあかんと再び決心が沸き起こった




「ちょっと待っててな?」と言い残し、リビングへ戻り



すぐに看病の仕方を検索した、必要そうなものを全部持って寝室へと向かい



ドアを開けて紫耀の元へ戻るとやはり苦しそうやった



近くへ駆け寄りまずはどんな症状かを聞く



「紫耀、どこが悪いん?」

「…あたまと、えっとぉだるいのと、おねつありそう……」

「分かった、教えてくれてありがとうな?俺が看病したる」

「…ありが……とぉ」



いつもより幼い紫耀に心をやられそうになりながら



まずは熱を測ろうと、体温計を出して脇に挟むが全然音が鳴らなかった



”可笑しいなぁ”なんて体温計を一旦取り出してみれば電源がついていなかった



「…なっ!」



今日ばかりはしっかりせんとあかんのに!と思いながら電源をつけたが



その後も失敗ばかりやった



お粥を作ろうとしたけどよー分からんまま作ってたら変な物体が出来てもうて



結局、市販のゼリーを”食べれる分でええから”と言って紫耀に食べさしたし



飲みもん運ぼうとしたけど落としてこぼれてしまった



幸い、ガラスや無かったけどっ…!



熱さまシートを額に貼ろうとすれば髪の毛巻き込んでしまったし



薬も落としてしまったりと



他にも失敗続きで、流石に気分が落ちてしまった…



”なんでこんなにも上手くできないんやろう”とグルグル考えていたことが紫耀に伝わってしまったのか



寝ていた紫耀が手を握ってくれた



そして



「れぇん?こっち、向いて?」

「へ、?」

「れぇんが…俺の、ために頑張ってくれてる、のは伝わってるよ?」

「しょお…」

「だから、その気持ちだけで俺は嬉しいなぁ、ありがと、れぇん」

「っ…しょお」



紫耀は”ありがとう”と伝えてくれた



熱があって、気怠くて、頭も痛くてすぐに寝てしまいたいぐらいやと思うのに



俺の気持ちを読み取って俺が欲しい言葉を与えてくれた



どこまでも優しい紫耀。

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ゆう(プロフ) - リクエスト書いていただきありがとうございました。廉くんのツンデレ具合も可愛かったのですが、平野くんの尻に敷かれてる感じが(良い意味で)廉くんの女王様感じが出てて最高でした! 海人と神宮寺くんの会話もリアルでニヤニヤしちゃいました! (2023年2月14日 10時) (レス) @page31 id: 05d34f6d93 (このIDを非表示/違反報告)
はるきち♪(プロフ) - リクエスト書いて頂きありがとうございます★最後の額の所、思い浮かんでキュンとしました(*´-`)お忙しいなかありがとうございました。寒いけど体調には気をつけてくださいm(_ _)m (2022年12月26日 7時) (レス) @page27 id: 05a8817700 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - お返事ありがとうございます!急がないのでお時間のある時にお願いします。 (2022年12月14日 2時) (レス) id: 05d34f6d93 (このIDを非表示/違反報告)
み の り さ ま(プロフ) - ゆうさん» “ゆう”さんへ…。リクエストありがとうございます。少々お時間をいただきます。(作者・みのりさま) (2022年12月13日 22時) (レス) id: 48b4854571 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - コメント失礼します。リクエストお願いできますでしょうか? 海人に甘い平野くんに嫉妬してしまうけど、ツンデレな廉くんは素直になれなくてそんな廉くんが可愛くてついついイジワルしちゃう平野くんのお話をお願いします。 (2022年12月13日 2時) (レス) id: 05d34f6d93 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みのりさま | 作成日時:2022年11月25日 21時

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