Full of love

． ページ41

平side



大学生活を満喫しながらも




どこか廉を探していたある日、おばあちゃんから連絡がきた




連絡の内容は“久しぶりに顔を見せにきてほしい”ということだった





明日は暇だし久しぶりに会いにこうと決め




一人暮らししている家に連れてきた3匹(岸くん.ジン.海人)に伝えた




本来は人間と猫で言葉は伝わらないけど




この3匹と話していると何故か普通に会話している気持ちになれた









おばあちゃんの家まで車を走らせて数十分



おばあちゃんの家が見えてきた



車から降りて玄関の方へ向かえば丁度おばあちゃんが家から出てきたところで



「久しぶりおばあちゃん、元気にしてた？」

「おぉ！久しぶり紫耀ちゃん、元気だったよ」



と、外だということを忘れて話し込んでいれば



「……しょお、？」




と、俺の名前を呼ぶ猫耳としっぽを生やした人間の男の子が立っていた



その声はおばあちゃんも聞こえたのか同時に男の子を見れば




声が聞こえると思っていなかったのか驚いた様子で路地裏の方へ逃げていった




普通なら“なんだあの子”ってなるところだと思うけど



俺はあの子が誰か分かってしまった



今一番会いたかった子、何故人間になっているのかは分からないけど




このチャンスを逃してはいけないと思った




「ごめん、おばあちゃん。ちょっと行ってくる」




と、一言を残し俺は無我夢中で走った




「いってらっしゃい」と、おばあちゃんが言っていることにも気がつかずに

．→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す