終わらない夢【HP】 (ページ2)

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お互いにページ2

Regulus side

ふと、何処かから視線を感じた。窓の外へ目をやると、斜向かいの家の少女がちょうど目を逸らした。美しい少女だった。

しばらくして、その少女は庭で紙飛行機を飛ばしていた。先程のどこか寂しい様な雰囲気は感じられず、幼い子供のような無邪気さすら感じられた。
風に揺れるしなやかな銀髪、透き通ったエメラルドの瞳。そして雪の様に白い肌が陽射しに照らされて輝いていた。呼吸を忘れる程の美しさだった。

(ああ、此方を見てくれないだろうか)

ふとした思い付きだった。魔法で風を起こし、紙飛行機の進行方向を変えた。紙飛行機は僕の家の庭へ落下した。
目線で紙飛行機を追い振り向いた少女と目が合う。

何か、言わなければ。

｢｢あの！｣｣

声が重なった。

｢ああ、すみません…。お先にどうぞ｣

｢あの、お恥ずかしいのですけれど、お宅のお庭に紙飛行機が飛んでいってしまって。もしよければ取りに行っても？｣

鈴のような透き通った声だ。

｢もちろんどうぞ。でも、よければ僕がそちらまで届けます｣

ただ、彼女と知り合いたかっただけだ。その為の、偶然を装った演出。きっと、こうでもしなければ彼女は僕に気付いてはくれないだろうから。彼女と知り合う為の口実を自ら作った僕は、卑怯だろうか。