校内で迷子になったら先輩に助けられました【ハイキュー】

29話 ページ30

｢でもよく私の家の方向わかったね｣


｢途中で真野ちゃんに会って教えてもろたんよ｣


｢あーそーゆこと

ストーカーでもされてたのかと思った｣


｢んな事せぇへんわ！！！！｣


｢冗談だよ｣


｢なんやねん！！！｣



侑くんの反応が面白くて笑いが絶えない

彼が人気な理由もよくわかる


すると突然携帯の着信音が鳴った

〜♪



｢あ、ごめん私｣


｢出てええよ｣


｢ごめんね｣



悠兄かな

そう思ってスマホの画面を見るとそこに表示されていた名前を見て思わず



｢げっ、｣


｢？どうしたん？出ないと切れてまうで？｣


｢あー、、うん、いや出なくても. . .｣



見なかったことにしてそのままポッケに突っ込んだけど私が出るまで切らないと言わんばかりに鳴り続ける着信音



｢. . .出たほうがええんとちゃう？｣



さすがに侑くんも若干引いてる


気が重いけど出るしかないようだ

深呼吸をしてボタンをスライドさせ耳に当てる



｢もしも｣


『ちょっとAーーーー！！！！！』



キーーーーン


耳に当てていたから大声で叫ばれた声がダイレクトに響いてクラリとする


スピーカーにしてる訳でもないのに侑くんにも聞こえた様で少し驚いている



｢ちょっと！！びっくりするでしょう！

電話越しに大声出さないでください！及川先輩！！！｣


『ちょっと！！びっくりするでしょう！

じゃないよA！

何でA青城(ウチ)にいないの！！？』


｢何でも何も受けてないからですよ

ていうかもう5月も中盤ですよ？今更気づいたんですか？｣


『だってAから来てくれると思ってずうっと待ってたのに！！

いつまでたっても会いに来てくれないから1年生のフロアに探しに行ったら瀬奈Aなんて子居ないって言われたんだよ！？

及川さんめちゃくちゃ驚いたよ！？』



そりゃ青葉城西どころか宮城に居ないんだから探したっているわけないだろ


横からひしひしと刺さる侑くんの怪訝な目が痛い



｢私から会いに来てくれるってどんな思い込みですか

とにかく今友達といるので後でかけ直しますから｣


『何それ！！友達って男？女？どっち！！！？』



果てしなく面倒だ

1年経ってもこの人のウザさは変わらない



｢男でも女でもどっちでもいいでしょう
ちゃんと後でかけ直しますから｣


『その言い方は男なんだね！！？？

何！？彼氏！？そんなの俺許してな』


｢五月蝿いです。｣



ブチッ

ツーっツーっツーっ

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