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話を聞き終えた宮城の顔はひきつっていた、というか、青くなっている。
「おいなんだよ、なんか言えよ。」
「三井サン、そりゃアンタが泣かせたんだ…」
「は…?」
宮城はドン引いていた。三井の鈍感さに。三井は未だどういうことが理解できず、眉間にシワを寄せている。ついでに花道もよくわかってなかった。
「夕方過ぎくらいの公園、二人きり、目を瞑って待っていたもの、それはキスでしょうが!!」
「キッ…!?」
探偵の事件解決シーンのようにすらすら言葉を並べる宮城。事件解決のキーワードは思いもよらない言葉で三井は声に出すのも躊躇う。ちなみになぜか花道は顔を真っ赤にした。
「泣いてしまった理由…それは恥ずかしさや悲しさからスかね。」
「ミッチー、キス逃したのか…勿体ないな。」
「るせぇ、そんなんただの憶測だろうが…」
「まあそうっスけど…確かめてみればいいんじゃねぇスか?ほら、ちょうど来たし。」
宮城が指差した方向に顔を向けると、Aが手を振り、近付いてきていた。
「ミッチー、今度は逃すんじゃねーぞ!」
「三井サンファイト!脱キス童貞!」
言葉を残して逃げていく背中にアイツら…と拳を固める。
「部活終わったの?」
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作者名:銀色の侍 | 作成日時:2023年1月18日 3時