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「なっ…!!Aさん!?」
「ごめんね桜木くん、嫉妬してくれたの嬉しくてからかっちゃった。」
「か、からかわれてたのか…」
ガーンとショックを受けているのが顔を見なくても分かってしまった。
けれど、花道はいつもの花道に戻り、いつもの高笑いをした。そしてくるっと振り向いた。
「Aさん!分かりますよ!Aさんが嫉妬させたくなる気持ち!なんたって湘北高校の天才バスットマン桜木のファンは数知れないですから!」
「そうだよね、沢山いるもんね。」
いつもの花道であることに少し安心を覚えつつ、くすくすと笑いながら返事をする。
「……」
しかし急に真剣な顔でだんまりを決め込んだ。と思ったら、今度はふわっと花道の方からAを抱きしめた。大きな腕で、とても優しく。愛しい彼の匂いでいっぱいになり、幸せを覚えていると、もごもごと先程から何か言いたげであった彼の口が開いた。
「け、けど、ああいうのはこれでやめてください…嫉妬させなくても俺はAさんしか見えてないすから…」
段々と声が小さくなり、口を尖らせていく花道。Aが驚いて見上げると、照れからか、ぷいっと顔を背ける。
だが真っ赤に染まってることだけは確認できた。そんな彼が愛しくて、からかってしまったことが申し訳なくて、抱きしめる腕の力を強める。
「桜木くん、ごめんね。もうしないよ」
「いや!分かってくれたならいいんですよ!ハーハッハッ!(腕の力が!)」
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しばらくして教室に帰ってきた笑っている二人を見て洋平は微笑んだ。
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作者名:銀色の侍 | 作成日時:2023年1月18日 3時