最終章 それぞれの幸せ。 ページ10
空っぽになったみたいだ
「奈々こそ、僕で満足出来てないね」
誰もいない部屋で呟いた
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もう後悔はしてない
私は…もうすぐ余命が底をつく
凛くんを苦しめる事になるなら
強引にでも別れておこうと思った
私が死んだら、遺書で真実を知ってもらう。
それまでに凛くんが死なないか不安だけどね
「私は凛くんが全てでした」
機嫌のいい空に言葉を放った
後ろから、抱きしめてくれたらいいのに
好きなのに、愛してるのに
それ以上に凛くんは私を大事にしてくれてた
分かってる、ちゃんとね
こんな別れ方しか知らなくて、ごめんね
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生きる意味がない。
「奈々っ……どうして…すぐ……僕の目の前から消えるんだよっ!!!」
頑張った。
もう、できる事がない
息するのも辛い。
そうだ
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「ねぇ、礼央、凛と話したでしょ?」
「うん、凛は今頃…何してるかな」
「幸せを知るのもいい事じゃないね」
「ねぇ藍里、俺と結婚しよ」
「いいよ、礼央となら」
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あの日の奈々が好きだった
だけど、今の奈々は違う人だって思った
それは、嘘をついてるから
優しい嘘だって気づけた頃には
意識がなかったよ、笑える。
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怖いなぁ
凛くんの手を握りたい
嘘ついてたせいでキスもできなかったし
「後悔はないだろ奈々」
「やっぱり私を分かってるくれる人は凛くんだけだね」
「ざまぁみろ」
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.
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終末。
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作者名:そら | 作成日時:2021年1月14日 21時