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最終章 それぞれの幸せ。 ページ10

空っぽになったみたいだ


「奈々こそ、僕で満足出来てないね」


誰もいない部屋で呟いた


________


もう後悔はしてない


私は…もうすぐ余命が底をつく

凛くんを苦しめる事になるなら

強引にでも別れておこうと思った

私が死んだら、遺書で真実を知ってもらう。


それまでに凛くんが死なないか不安だけどね


「私は凛くんが全てでした」


機嫌のいい空に言葉を放った


後ろから、抱きしめてくれたらいいのに

好きなのに、愛してるのに


それ以上に凛くんは私を大事にしてくれてた


分かってる、ちゃんとね



こんな別れ方しか知らなくて、ごめんね


________


生きる意味がない。


「奈々っ……どうして…すぐ……僕の目の前から消えるんだよっ!!!」


頑張った。

もう、できる事がない

息するのも辛い。


そうだ



________



「ねぇ、礼央、凛と話したでしょ?」

「うん、凛は今頃…何してるかな」


「幸せを知るのもいい事じゃないね」


「ねぇ藍里、俺と結婚しよ」


「いいよ、礼央となら」


________




あの日の奈々が好きだった

だけど、今の奈々は違う人だって思った


それは、嘘をついてるから


優しい嘘だって気づけた頃には

意識がなかったよ、笑える。



________



怖いなぁ

凛くんの手を握りたい

嘘ついてたせいでキスもできなかったし




「後悔はないだろ奈々」


「やっぱり私を分かってるくれる人は凛くんだけだね」


「ざまぁみろ」





































終末。

・−−・ −・ −・−−− −・ ・− −−−− ・・−・・→←第9章 凛と奈々の幸せ



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作者名:そら | 作成日時:2021年1月14日 21時

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