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「誰かのために…」
『そう、守りたい人とか、出久くんにはいるかな？』
えーと、と唸りながら考え込んでしまった出久くん。少し難しい事を聞いてしまったかもしれない。もうちょっと簡単な事を聞いてあげれば良かったかな…
『たとえば…うーん、そうだね……おとうさん、おかあさんの事とか。…あとは好きな子とか？』
「す！…すきなこ！？」
顔を真っ赤にしながらボン、と爆発してしまった。なるほど、こういうお話はまだ男の子には早かったか…と後悔していたけどこれはもしかしたら居るのかもしれない。気になるけどまた爆発させてしまうとかわいそうなので触れないでおこう。
『私はね、出久くんが誰かの為に頑張ってるところ、すごーく素敵だなあと思うし、守って貰ってる人もきっと嬉しいなあっておもうんだ』
「ほんと…？」
『うん、…だから、出久くんは誰かにとっての優しいヒーローになれたら良いんじゃないかなあ』
とても五歳以下の発言とは思えない事を言っている気がするけれど、中身の年齢は25だからどうか許して欲しい。
「へへ…、ありがとう、Aちゃん…ぼく、優しくて、最高のヒーローになれるようにがんばる！」
出久くんも落ち込んでいた顔から少し照れるようなはにかんだ笑顔を見せてくれて安心した。
私も釣られて笑顔で頷いた。
それからすぐに廊下の曲がり角の辺りから出久くんを呼ぶ女の人の声が聞こえてきて、出久くんは慌てた様子で「あ、おかあさんだ！」と言いながら声の方へ走り出した。
私の方へ一度振り向いてから「こんど一緒にあそぼうね！」と元気な声で言って。私も『またね！』と同じ調子で返し手を振った。
ーーー
病室に戻ってご飯を食べ終えて暇を持て余していた。
あまりにも退屈そうな顔がわかりやす過ぎたのか、食器を片付けに来た看護師さんから少しだけならテレビ見ても良いよと言われたのでじゃあ遠慮なく、とリモコンの電源ボタンをぽちりと押す。
画面に映し出されたのはニュース番組だった。そして内容はというとなんと墜落しかけてした飛行機の事。
『…あれからどうなったんだろう…。みんな無事だって聞いたけど…』
ニュースを真剣に見る事など今まであっただろうか。
犠牲者0、負傷者0、念の為病院で検査を受けている人も居るみたいだけど、どうやらみんな無事だっていう話は本当だったようだ。
ほっと胸を撫で下ろそうとしたその時の事だった。
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なさ(プロフ) - 夜月 零夜さん» コメントありがとうございます！まだまだ未熟者ですが頑張ります！！ (2020年2月11日 13時) (
レス) id: f613967be2 (このIDを非表示/違反報告)
なさ(プロフ) - ありささん» ありがとうございます！とっても天然な主人公ちゃんですが気に入っていただけて嬉しいです！ありがとうございます！頑張ります！ (2020年2月11日 13時) (レス) id: f613967be2 (このIDを非表示/違反報告)
なさ(プロフ) - レーナさん» 返信昨日ある事に今更気付きましたすみません…！応援ありがとうございます！頑張ります！れんこん！ (2020年2月11日 13時) (レス) id: f613967be2 (このIDを非表示/違反報告)
夜月 零夜 - 面白かったです！更新頑張ってください!! (2020年2月7日 16時) (レス) id: 3da7626fa3 (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - すごく面白い！主人公ちゃんが可愛い！頑張ってください！ (2020年2月5日 23時) (レス) id: 171cb6aee9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なさ | 作成日時：2020年1月29日 3時
