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ずっと黙っている俺を心配してか


青 「あ、の……大丈夫ですか?」

と控えめに声をかけてくれるのさえ嬉しくて


「す、すみません!!大丈夫です!!」 と大声で返事をしてしまう




そんな俺の声にびっくりしたと思えば くすくす笑って
「元気ええなぁ」なんて少し愛おしそうなそれでいて悲しそうな顔をしてつぶやく


その顔の表情と、そしていつも運動場を窓から見つめる理由が気になって




「あの……なんでいつもここの窓から運動場見てるんですか…?」

と聞いてしまう



するとまた目をくるりと大きく開けて びっくりしたようにそして絶望したように「バレてたんや……」なんて囁くような声で言う




「バレてた……というか気づいてたの僕だけなので……
すみません、初対面でこんなこと聞いてしまって」



もしかしたらこの人の地雷を踏んでしまったかもしれへん

驚いた顔は段々と切なそうなしんどそうな表情になっていく





青 「ううん まさかバレてると思ってへんかったから………

ここで窓の外を見てたんは ………好きな人を見てたんや」


「すきなひと…………」


青 「ん サッカー部にな おんねん俺の好きな人
まぁ絶対俺には届かん存在やけどな」




好きな人がいるという事実にショックを受けるけど
それよりも

『絶対俺には届かん存在』なんて形容して切なそうに笑う先輩が悲しくてそして苦しくて




「で、でもわかんないじゃないですか!
もしかしたら振り向いてもらえるかも……」

青 「無理や」

「へ………」

青 「ふふ 優しいなぁあんた

でもな無理やねん
もうその人恋人おるから」

「こいびと…」

青 「うん
ふふ しかも幼なじみ同士で付き合ってんねんで

めっちゃお似合いでさ 俺もずっとその人のことちっさい頃から好きやったけどあの子には適わへんわ笑」



しげ先輩のことやって直感的にわかった

幼なじみ同士で付き合ってるサッカー部の部員はしげ先輩と神ちゃん先輩しかおらん


そしてこの人はしげ先輩と神ちゃん先輩が前に言っていた幼なじみの1人で しげ先輩のことが好きなんや





青 「ごめんな こんな話して
見てたのもごめん よぅ注意されてたもんな」

「えぇ!?見てたんすか!?」

青 「身長高いから目立つし…見てたんすかって見てますよねって聞いてきたのあんたやん笑」

「いや、しげ先輩のことだけを見てんのかと……」






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作者名:そる | 作成日時:2024年4月3日 0時

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