太鼓学園の日々その1 (ページ11)

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6話「冷たい鬼の拳」ページ11

百鬼：どっからでもかかってこい。

真・画竜：王は俺だ。王が先攻だなんて聞いたことがねえ。

真・画竜は余裕のある、ゆったりした口調で言う。

百鬼：そうか、ならいくぞ。

百鬼はそう言い、僅かに構える。そして少し腰を引いたかと思えば、次の瞬間には真・画竜の腹に拳をめり込ませている。

真・画竜：うっ。

腰を落として苦悶の表情を浮かべる真・画竜とそれを見下ろす百鬼。

百鬼：どうだ俺の実力。

真・画竜：次は俺の攻撃だ。

焦っているのだろうか。普段よりも遅めの拳を百鬼は容易に避けた。

百鬼：フフフ…。

真・画竜：1発かわしたぐらいで調子に乗るな。次は連続攻撃だ。

百鬼：単調な攻撃だな。手数が多くても読める。王の実力ってこんなものか。

真・画竜：まだだ、まず裏を引きずり出してみろ。

百鬼：裏が出る前に決着が付かなきゃいいけどな。

彼は相変わらず余裕の表情だ。

真・画竜：何を言っている。ナメてんじゃね＿＿。

彼の言葉を遮って、百鬼の拳が打撃音を鳴らす。

百鬼：この程度の不意打ちも効くんですか。ならこれでどうだ。

真・画竜：(なんだ、重い一撃や細かい攻撃が混じってる。おかげで全く先が読めねえ。)

夜桜：真・画竜がここまで押されるなんて。

紫薔薇：さっきから口調も変わてるな。まるで普段とは違う本性を持っている感じだ。

ザバ：王がみっともねーぞ。裏使え、裏を。

ギャラリーからの言葉に、真・画竜は苛立ちの表情を見せる。

真・画竜：出したくても出ねーんだ。

サバ：えっ。

真・画竜：百鬼お前は何なんだ。勝利への熱意が感じられねえ。ただ拳を振るう必要を感じてないような冷たい拳を振るってるだけだ。

百鬼：俺の終焉の鬼の通り名はもう1つの意味がある。熱の無い拳と打ち合うだけで相手は戦をする意味を見失い、この冷たい拳に負けた奴はその後戦の意味を見い出せず2度と戦いをしない。俺のこの拳に負けた奴はその戦いが最後の戦いになる。その冷たい鬼のような拳からこの通り名が付いたって訳だ。

真・画竜：何故こんなに拳が冷たいんだ。

百鬼：小5の時にちょっとしたことがあっただけだ。

真・画竜：拳に力が入ってるな。思い出したくないことでもあったか。

百鬼：お前に話す義理は無い。

真・画竜：話してみろよ。きっと楽になるぞ。

百鬼：うるさい。

百鬼の乱雑な一撃を、真・画竜は手首を掴んで止める。

真・画竜：ふんっ。

百鬼：止めた、だと。

真・画竜：取り乱すなよ。

百鬼：なら教えてやるよ。