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iw「でも…突然俺たちの前から居なくならなくたって、」
風の音だけが聞こえる静けさのなかで、寂しさを纏った岩本くんの声が空気を揺らす。
「＿＿苦しくなってしもうたんよ。
おかんを始め多くの命を平気で殺したくせに偶然を装って路頭に迷ってる照を拾うヒーローごっこをして。
照と一緒に住み始めてから時間操作能力も使えるようになったのに表世界で何も知らないノーマル装って呑気に就職先まで決めた。
・・・そんな奴が警察官として働けるわけないやんって気付かされた途端に、エゴで創りあげたこれからの人生があることがアホらしくなって全部投げ出したんよ。」
ふはっ、と自虐的に笑ったお兄ちゃんは今関西で7人ばかりの小さな会社のお手伝いをしているという。
彼が定期的にここへ訪れていたおかげで今があるけれど、もしこのルーティーンが俺の知らぬ間に崩れていたら2人を会わせることは出来なかったかもしれない。
iw「警察官、なろうとしてたんだ」
「誰かの不幸の上でつくられるほんの一部の人にしか訪れない幸せを見て見ぬふりする社会を変えたくて志望してたな。
今考えればとてつもないブーメランなおはなしやけど」
iw「そっか。
じゃあ、警察官になった俺の次の目標はシゲの目指した社会を創りあげることだな」
「え…？」
表世界で就職出来たんか…？
驚き6割喜び4割のお兄ちゃんの反応に、岩本くんは照れくさそうに頷いて言葉を続ける。
iw「シゲに助けてもらった上に今の仲間にも出会えてたきっかけ作ってくれたから、今度は俺も命かけてシゲのためになることやる。そうじゃないと不公平な気がして」
「なんか嫌や、そんなん。照に強制させとるみたいやんか」
iw「俺がやりたくてやってんだからその辺は気にしないでよ」
でも…、と渋るお兄ちゃんに、じゃあ、と何か閃いた岩本くんは右手の小指を立てた。
iw「もう二度と俺に内緒で居なくならないで。
俺がシゲの願いを叶える代わりに、俺の願いをシゲが叶えてよ」
岩本くんの小指にお兄ちゃんの小指が絡んだのは言うまでもない。
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柊(プロフ) - コメント失礼致します。端的に言って、このお話が大好きです。最後まで来て一年以上前から更新されていないことを知り、「ふっ、、ふっか！？！？」と、今後の展開にパニックになりました。気長に待ちますので、更新を期待しても宜しいでしょうか。 (2022年9月1日 22時) (
レス) @page41 id: 27767aadd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗絢
| 作成日時：2021年1月11日 22時
