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-side Raul-
ある日、自分の元へ訪ねてきたのは重岡と名乗る関西弁の男性だった。
どうやらかなり年が離れているように見えるこの人とは家系図上で血の繋がりがあるらしい。
『偶然聞いた噂を調べたら、自分が闇市の血筋を引いとることが分かったんよ。
それで…行方不明になった親友が人身売買にかけられることも知った。』
だけど、生まれてからこの方表世界で生まれ育った彼は能力が使えないと話した。
血を継いでいるのだから使えないわけではなく、まだ発現していないだけだと思うけれど。
『やってたこと調べたら俺らのご先祖様は何しとるんやって腹が立ってな。
ラウールのことやって、ご先祖が能力をいいように使って堂々と悪事しとるから闇市に関係なくても血を継いでるってだけで表世界でも裏世界でも身をひそめるように生きることしか出来へんと思っとる。』
そして、闇市を、親戚の悪行を、自分の手で止めたいのだと語った。
『＿＿＿誰も得せん組織なんて、必要ないやろ』
さっきまで浮かべていた太陽みたいに輝く笑顔は身をひそめ、瞳に怒りを溜めていた。
ru「でも、お兄ちゃんがその作戦を実行する直前に闇市に乗り込んできた人がいて、その崩壊作戦が失敗しないようにビルの地上部分だけ止めてくれって話になったんです。
地下牢はノーマルの子供たちが多くいるんで地下まで時間を止めてしまったら逃がすのに時間がかかりすぎてしまう。地上にいるノーマルのスタッフたちの動きを止められたら、阻止しようとしてくる人が減らせるって思ったんでしょうね。」
ab「それで、ノーマルだけの動きを止まったことが経営層に君臨する時間操作能力者達は差し支えなく動けるから時間が止まっていることに気づかず、時間の流れが戻った時、火災に気づく頃にはその中へ巻き込まれた。」
それもあったかもしれません。
当時は小さかったから派手に建物が崩れていく様子を無心で眺めていたけれど、真っ赤に染まった建物の中で蠢いていた影はノーマルだけではなかったのかもと阿部さんの推測に気づかされた。
iw「それで、あいつは…シゲは今も生きてんのか」
話がひと段落つくと、照くんは焦りを隠せずに肩を強い力で掴んできた。
その目は「生きている」と言ってくれと縋っているように見える。
ru「会いたい、ですか？」
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柊(プロフ) - コメント失礼致します。端的に言って、このお話が大好きです。最後まで来て一年以上前から更新されていないことを知り、「ふっ、、ふっか！？！？」と、今後の展開にパニックになりました。気長に待ちますので、更新を期待しても宜しいでしょうか。 (2022年9月1日 22時) (
レス) @page41 id: 27767aadd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗絢
| 作成日時：2021年1月11日 22時
