・ ページ24
・
sk「でも、なんでラウールにその能力が引き継がれちゃったの？
母親もおばあさんも能力を持っていなかったはずでしょ？」
すっかり静かになってしまった中で、佐久間が声を上げれば阿部ちゃんが、推測だけどと口を開く。
そうだ、阿部ちゃん達が先輩を訪ねた時、先輩は女性には時間操作能力が引き継がれないと話していたらしい。
ab「それに関しては『伴性劣性遺伝』が有効な仮説かなと思ってるんだ」
2人の話を聞いて俺が顔を顰めれば、顎に手を当てた阿部ちゃんは説明をしてくれた。
ab「えっとね、伴性劣性遺伝は『基本的に男性にだけ発現するけれど、その遺伝は女性が担っている』のが特徴なの。
両親から遺伝する性染色体の構造上、女性が病原体とかの異常を持っていてもそれが必ず発現するとは限らないのに対し、男性は異常を持っていれば必ず発現する。
この異常を持っている性染色体が母親から息子に遺伝した場合、脈略無く息子に異常が発生してしまったように見えてしまうことがあるっていうカラクリなんだけどね。
今回の場合、闇市の血は祖母と母親、要は女性によってラウールにまで引き継がれている。
だから一見この家系には能力が遺伝していないに見えたけれど、実は遺伝子を通じてひっそりと引き継がれてしまっていた。それが3世代振りに男児が生まれたことで明らかになったっていう流れならすべての辻褄が合う。」
sk「…ダメだ、佐久間さんには難しくて分からなかった。」
ab「言葉だけだと分かりづらいんだよね。興味あったらあとで調べてみて。」
それと、
気を改めるように咳をした阿部ちゃんの様子に、みんなが反応した。
ab「昨日の事件の被害者たちには共通点があった。俺はそれがラウールを襲われる理由にもなってたと考えてるんだけど見てもらっていい？」
カチ、とマウスが再び鳴ると画面が切り替わってどこか神秘的な雰囲気を放つHPが映し出される。
nb「＜あなたが表世界で自分らしく堂々と生きられるたった唯一の方法＞…？」
ab「被害者たちは時間操作能力者を〔悪魔〕だとするカルト集団『アンジェルス』に所属して活動してたみたいなんだよね」
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1919人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柊(プロフ) - コメント失礼致します。端的に言って、このお話が大好きです。最後まで来て一年以上前から更新されていないことを知り、「ふっ、、ふっか！？！？」と、今後の展開にパニックになりました。気長に待ちますので、更新を期待しても宜しいでしょうか。 (2022年9月1日 22時) (
レス) @page41 id: 27767aadd1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紗絢
| 作成日時：2021年1月11日 22時
