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-side Watanabe-
翌日の昼間、昨日から部屋に籠って調べ事をしていただろう阿部ちゃんがリビングにいる奴らを呼び寄せた。
ふっかは犯人ではないと分かったため今日から捜査に入ることになっている。
ab「昨日の件だけど、俺の推理してた『先輩のいとこが犯人かも』って話は撤回させてほしい。ラウールが昨日の事件の犯人で時間操作能力者って仮説が正しいとすれば、色んな可能性が見えてきた。」
カチッとマウスがクリックされる音がしてスクリーンに映し出されたのは、昨日も見た闇市の家系図。
ab「まず、ラウールの家族をこの家系図に組み込んでみるね。」
再びマウスが鳴って、元あった家系図の下に赤で丸と棒が書き足されていく。
唯一元々表記されていた黒丸が赤へと色を変わったのは、めめの先輩のいとこの子にあたるポジション。
ラウールの祖母が4兄妹の次女ということになる。
ab「調べたらラウールのおばあさんにあたる人は30歳を過ぎてから戸籍を取得し、表世界のノーマルの男性と結婚していた。彼女たちの間には1人の娘が生まれたんだけど、その娘こそがラウールの母親だった。
それに、ふっかが本人からないって聞いてたラウールの戸籍もちゃんとあったよ。
＿＿＿書類上では彼が12歳の時に死亡っていう扱いをされていたけどね。」
fk「は！？なんで！？」
ab「7年間生死不明で失踪状態にあった人は、親兄弟から失踪宣言というのを出されると死亡したことになるんだけど、この死亡についてもこの制度が適応されていた。
でも実際にはラウールが生きている、家族とは縁が切れている、ってことを考慮すると両親によって意図的に存在を消されたって考えられる。」
kj「もしかして、その理由が時間操作能力者だって分かったからとかやったりする？」
ab「だと思ってる。
自分の息子が能力者だと分かり、その事実を隠そうとして取った行動だとすれば納得がいく。」
阿部ちゃんの推理にみんなの顔色が曇る。
その中でも隣で静かに顔を伏せていた照の顔はとても苦しそうなものだった。
・・・きっと、自分の過去と重ねてしまっているんだろう。
ab「時間操作能力を持っていることは闇市との関係があることを暗に示している。
だから、ラウールと関係を断つことが自分たちが表世界で平穏に暮らせるための最適解だとご両親は判断してしまった。」
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柊(プロフ) - コメント失礼致します。端的に言って、このお話が大好きです。最後まで来て一年以上前から更新されていないことを知り、「ふっ、、ふっか！？！？」と、今後の展開にパニックになりました。気長に待ちますので、更新を期待しても宜しいでしょうか。 (2022年9月1日 22時) (
レス) @page41 id: 27767aadd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗絢
| 作成日時：2021年1月11日 22時
