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「で、その闇市崩壊した時に能力が使われてた話に戻るけど、残念ながら俺はその一連に関係してないし崩壊の裏で何が起こってたかは分からない。ただ俺なりの仮説を2人に話すことは出来る」
ab「構いません。教えてください」
「闇市の身内が誰かが裏切り行為に走った。身内つってもその中で可能性があるのは…俺の叔父さんか、いとこか、チチオヤ。」
「男だけ？」
「理由はよく分かってないけど時間操作能力が使えるのは男だけで、遺伝子を父親から継がない限り能力も引き継がれないって話。チチオヤの兄妹は兄1人に姉2人だからウチ以外には叔父さんところしか能力は継がれてないって聞いた気がするんだよね。でも叔父の子ども、まぁ要は俺のいとこね、いとこは独身のはずだから能力を引き継ぐ息子も居ない。だから3択」
「お前のチチオヤも候補に入んの？闇市運営してたのチチオヤなんじゃなかったっけ」
「爺ちゃんの言いなりだっただけだよ。俺がいた時は従ってたけど、何処かで反骨心が出たっておかしい話じゃない。」
ab「ちょっ、ちょっと待ってください」
先輩と男性がとんとん拍子で進めていく会話を止めた阿部を、2人は驚いたように見た。
ab「このままだと、僕たちは先輩の身内に対して行動を移すことになるわけですよね。
…それでもいいんですか？」
そう言われて俺もようやく気付く。
元能力者だったとはいえ、かつては時間操作能力を保持していた。
時間操作能力が引き継がれているのは闇市を運営している家系のみ。
つまり、今、後輩に自分の家族を売っていることになる。
「あれ、阿部知らなかったっけ。俺もう20年以上前に実の家族と縁切ってるから、今は戸籍上この人の弟」
グーサインの親指が指す先は隣にいた先輩。
どうやら俺らが知っている苗字は生みの母親が闇市の家系に嫁入りする前のもので、芸名として使っているらしい。詳しくは聞けなかったが、阿部の先輩の苗字を芸能界で使うことは憚れたそうだ。
ab「あ…そうでした。」
「だからもう元々の家族のことはどうでもいいんだよね。候補に上げてみた3人だって、生きてるか死んでるか分からない。悪いけど、『裏切り者』の正体を調べるんだったらまず生死から確認してくれないかな」
分かったらついでに俺にも教えて、気になるから。
幾ら縁を切っても血縁関係は切れることはない。
もう会えない、会わないと思っても何かの拍子に家族の今が気になるのは自分だけではなかったらしい。
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柊(プロフ) - コメント失礼致します。端的に言って、このお話が大好きです。最後まで来て一年以上前から更新されていないことを知り、「ふっ、、ふっか！？！？」と、今後の展開にパニックになりました。気長に待ちますので、更新を期待しても宜しいでしょうか。 (2022年9月1日 22時) (
レス) @page41 id: 27767aadd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗絢
| 作成日時：2021年1月11日 22時
