・ ページ21
・
メイクルームに入ると、昨日蔑んだ目を向けていたはずのメイクさんが気まずそうに謝ってきた。
「あの時は失礼な態度取ってすみませんでした。
能力者に関しては良くない噂ばっかり聞いてたから、目黒さんもそうなのかなって思ったら怖くなって・・・」
段々と声が小さくなるし、時々俺の様子を伺うように視線を合わせてくる。
表面上の言葉に騙されたくなくて能力を使えば、そこに聞こえたのは実際に聞こえてくるのと同じ反省の念。
急に俺の瞳の色が変わったことに気づいて一瞬ビクついたけれど、だからと言って離れていく素振りはない。
mm「なんで…？」
「なんで、って？」
mm「なんで、今更能力者に対してそんなこと言うんですか」
反省したとはいえ掌返しがすぎる言動に何かあったか怪しむなという方が無理がある。
棘のある言い回しを受け取ってメイクさんは少し表情を崩して1人の名を上げた。
「＿＿＿康二さんが、」
mm「康二？」
「目黒さんが居なくなった後、『能力者だってなりたくてなったわけじゃないのに』ってスタッフ全員に向けて怒ったんです。
『今まで近くでめめが必死に仕事と向き合う姿見てきてんのに「世間的に見て普通じゃない」って理由だけで嫌う意味が分かんない』って。」
mm「っ、」
それは、思ってても簡単に口には出来ない言葉。
当たり前に見えて当たり前じゃない考えはノーマルは勿論能力者自身の心にも来る。
俺も能力者だからって阻害される度に言ってやろうとも思ったことは一度や二度ではないが、受け入れてもらえなかった過去がフラッシュバックして口を噤んでしまうのが常だった。
「能力者でも、目黒さんは目黒さんですもんね。
今までだって滞りなく仕事をご一緒出来てるのに途端に怯える必要なんてないって気づかされました。」
そうやって笑いかけてくる顔は晴れ晴れとしている。
「もしかしたら世間はフィルターをかけて目黒さんに厳しい目を向けるかもしれないですけど、今まで私が自分自身の目で見てきたものを信じて、もっと目黒さんの魅力を引き出して読者さんにお伝えできるように精いっぱい頑張らせてください。」
そして、俺を認めてくれるのだ。
「これからも、目黒さんと仕事がしたいです。」
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1458人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紗絢(プロフ) - 葉月さん» 葉月さん再びコメントありがとうございます！本Episodeも楽しんでいただけますよう頑張ります(^^) (2021年1月16日 22時) (
レス) id: 76dfa23ffd (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 移行おめでとうございます！これからも頑張ってください！楽しみにしてます！ (2021年1月15日 22時) (レス) id: 5fa35a3299 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紗絢
| 作成日時：2021年1月15日 18時
