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「＿＿目黒の気持ちは分かった」
空調の音が聞こえてしまうほどの長い沈黙を経て、社長はこれだけ言ってまた口を閉じる。
mm「この先の仕事とかも決まってるのに、すみません。
今まで、お世話になりました。」
自分の世界に入ってしまった社長を俺が眺め続ける必要もないので、深くお辞儀をして控室に戻った。
mm「あははっ…、」
一人きりの空間に足を踏み入れた途端カクリと脚の力が抜けて、座り込んだ状態で出たのは乾いた笑い。
＿＿やっぱり、能力者は存在してはいけないんだろうか。
もう5年以上前の話だからよく覚えてないけれど、高校の時、俺が所属していたグループで能力者だとカミングアウトしたのはネタになると思ったからじゃなかったっけ。
能力者に興味津々だったから受け入れてくれんじゃねぇかと思っての行動だった、はず。
それなのに気づいたら周りから人が居なくなっていた。
俺が爆弾を落とした直後は笑ってくれていたけれど、瞳の色を変えたついでに聞いてみた聲は後ろ向きなものばかりだった。
気持ち悪いって、別にそっちから見たら目の色が違うくらいだろ。
殺される？って、聲聞こえるだけでそんな物騒なこと出来ねぇよ。
逃げ出せる？って、俺メドゥーサでもないんだからいくらでも逃げろよ。
あの時はただ瞳の色を変えただけなのに、次の日にはクラスメイトに俺が読心能力者だって広まっていた。
瞳が黒く輝く能力は俺が持ってるやつしかないみたいだからインターネットで調べた誰かが一緒に話したんだろう。
そしてその週のうちには学年中、その月のうちには学校中にこの話は広まってる。
他にこの学校に能力者がいるって話は聞かなかったから、いやもし居たとしても隠してただろうから、俺だけが怖がられた。
能力を発動しない限りは聲なんか聞こえないのに、尾びれのついた噂話は近づくだけで聲が聞かれるなんて言われてて。
周りには人が寄りつかなくなったし、先生でも能力者に対しての知識は無いから反応はその辺の生徒と一緒。
mm『ふははっ…！』
この時も、悲しいとか悔しいとかの感情全部すっ飛ばして可笑しさのあまりに笑ってた。
独りで笑って、笑い続けて、
最後に残ったのは、虚しさだけだった。
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紗絢(プロフ) - 葉月さん» 葉月さん再びコメントありがとうございます！本Episodeも楽しんでいただけますよう頑張ります(^^) (2021年1月16日 22時) (
レス) id: 76dfa23ffd (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 移行おめでとうございます！これからも頑張ってください！楽しみにしてます！ (2021年1月15日 22時) (レス) id: 5fa35a3299 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗絢
| 作成日時：2021年1月15日 18時
