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泣き疲れて気を失うように倒れたその体を薄い敷布団に寝かせ、掛け布団をかけた。
床に転がっていた銃から弾を抜いて、俺専用の小物入れに全て押し込む。
きっと、俺があの時一人で逃がしたのが悪かったんだ。
でも、俺の我儘で隣に居続けさせれば殺されるのは目に見えていた。
当時の正解は今も分からないけれど、これから先は隣にいたまま自分の力で守ることが出来る。
不毛な形でだけど、俺は適合した能力を持ったんだ。
以降、依頼は全部俺一人でこなすことにした。
居る価値が無いと言い続ける翔太には俺のために生きてと諭し、人並み外れた容姿と生い立ちでもなるべく普通の生活を心がけて。
dt『行ってくるね』
自らの瞳の色を嫌い、俺以外来ることのない家でも眼帯をかけて部屋の隅で小さくなる彼に声をかける。
返事はないけれど、俺は普通に接する。
dt『帰りに買い物してくるから、欲しいものあったらメッセージ頂戴』
自分で命を絶とうとした時から、翔太の瞳は虚ろで俺の言葉にも何一つとして返さない日が続いた。
俺に死なないでと言われているから、今度は命ではなく自分の存在そのものを消そうとしているんだと思う。
ご飯を作っても俺の前では食べてくれない。
けれど、机の上に置いておけば俺がいないうちに三大欲求の1つに負けて少しは手を付けるみたいで。
仕事から帰ってくると幾分か減った皿を見つけて、食べれたねと微笑む毎日。
そんな毎日を送っていたはずなのに、脈略なく翔太は自分も仕事に戻ると言い出した。
俺の知らない間に銃を性能のいいものへと新調し、かっこいいでしょと見せてきたのには驚くしかない。
nb『涼太にだけ殺しはさせられないから』
どういう気持ちの切り替わりなのか問えずにいるけれど、傷を癒したわけではなさそうなのは分かる。
仕事をこなしていくうちに前までの翔太に戻っていったようだけれど、闇市の話を思い出すとフラッシュバックを起こしたように罪悪感に苛まれているようで。
ごめん、
俺のせい、
そう言い続ける彼に俺は違うと首を振り続けてきた。
きっと今後もそれは続いていくのだろう。
今までも、これからも
dt「俺に出来るのは、翔太を守ることだから」
Episode1 fin.
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藤菜(プロフ) - あべさく最高！♪ヽ(*´∀｀)ﾉ (2020年9月29日 22時) (
レス) id: f78a68b7f1 (このIDを非表示/違反報告)
紗絢(プロフ) - るむぽさん» るむぽさん、コメントとご指摘ありがとうございます！誤変換については私も読み直した際に気づきましたので本日の投稿時に訂正させていただきました。読みづらくしてしまい申し訳ありません。ぜひ今後もSIT-9をよろしくお願いいたします(^^) (2020年9月25日 21時) (レス) id: 76dfa23ffd (このIDを非表示/違反報告)
紗絢(プロフ) - 藤菜さん» 藤菜さん初めまして！コメントありがとうございます。褒めていただきとても嬉しいです！Episode2はあべさくメインで書き進めているので章末、そして今後もお付き合いいただけたら幸いです(^^) (2020年9月25日 20時) (レス) id: 76dfa23ffd (このIDを非表示/違反報告)
るむぽ(プロフ) - とても素敵な作品でつい読みいってしまいました^^ところで37ﾍﾟｰｼﾞ？のところが「形態」となっていますが「携帯」ではないでしょうか？わざとでしたらすみません。更新頑張ってください。応援しています^^ (2020年9月25日 18時) (レス) id: c44f20117a (このIDを非表示/違反報告)
藤菜(プロフ) - 初めまして！佐久間大好き！あべさくコンビも大好きです！この小説とても面白いですね！頑張ってください！応援してます！ (2020年9月24日 17時) (レス) id: f78a68b7f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗絢
| 作成日時：2020年9月10日 18時
