共演NGなので［青］ (ページ4)

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待ちに待った当日。

楽屋に入り、ヘアメイクや衣装に着替えて準備をし始めて気合いを入れる。今日初めてテレビで歌う曲のため、ボイトレをし始めているとだっちゃんの言葉を聞いて我に返る。

｢Aちゃん、挨拶してきた？？｣

『あ…！！すみません！緊張してて忘れてました…行ってきます！』

｢珍しいじゃん(笑)SnowManパワー凄いなあ｣

まだまだ新人の私は今日出演する皆さんに挨拶に行かなければならない。常識だよね。

ただでさえあの階段を降りる事にも緊張するのに、あのSnowManさんにも挨拶にいかなければならない。ファンとして、とてつもなく嬉しい気持ちでいっぱいだが、プロ意識を高めるためそんな浮ついた気持ち捨てなきゃダメなのに。

急いで部屋から飛び出て、入り時間を確認し、司会者さんや業界の上層部の方から、一緒に出演するアーティストさん全てに挨拶をしに行く。

そしてついに、SnowManさんの楽屋に向かう。

『どうしよう…』

悩む理由なんて無いのに、楽屋に行くまでの道のりを少しゆっくり歩いていく。引き返そうか迷うが、本当に常識の無い新人アーティストという肩書きが残されてしまうかもしれない。大大大好きなSnowManさんからの印象、悪くしたくないという思いでいっぱいなのに、いざ対面することになると行きたくないという気持ちが溢れてしまう。

『うう、お腹痛くなってきた』

メイクも衣装もとっても可愛いく準備して頂いたのに、こんな風になる自分がすっごく情けなく感じる。

重い足取りで楽屋に向かう途中、聞き覚えしかない声が私の名前を呼ぶ。

｢え、Aさんですよね？｣

目の前にはSnowManの深澤さんの姿が。

今まで画面でしか見たことがなかったため、目の前には存在しているという状況に頭が一瞬真っ白になる。

『は、はい…』

一瞬目が合ったが、かっこよすぎて一方的に目をそらす。

アイドルスマイルの深澤さんの表情に心拍数が勝手に上がる。

いや無理だよ、なんでそんなかっこいいの！どこみたらいい？もう目のやり場に困るよ！
てかなんで私の名前知ってるんですか！はあもうほんとにかっこよすぎてこの場からさりたい！

ってもう自分で考えてもIQ低くなってるなって思ったもん。

深澤さんだけでこんなに心がもたなくなってるのに、これから楽屋向かおうとしてる。数分後には私は生きてるのか？と心配になる。

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