緑の雪と恋人たち >THIRD<

雷鳴の轟く夜も(リク) ページ1

skside



窓に閃光が光って直ぐにイヤホンをしてても使えるほど大きな地響きが聞こえた。


隣の部屋で翔太の叫び声が聞こえて急いでアニメを止めて部屋から出る。


翔太の部屋で蹲る阿部ちゃんと背中を摩っている翔太。


俺も阿部ちゃんの傍に寄っていこうとしたとき、再び雷鳴が鳴り響き、


阿部ちゃんはプルプルと震えてた。


「亮平、大丈夫だから！」


そう言う翔太の手も少し震えていて、二人をまとめて後ろから抱きしめた。


「佐久間さん来たから大丈夫！」


大丈夫を繰り返すと次第に落ち着いてきた二人。


リビングに連れていけばみんながいると思って連れていこうとした。


けど、二人とも腰抜けちゃってて動けない。


開けっ放しのドアから目黒が康二をリビングに連れ出しているのが見えたけど、こっちに気づきそうにない。


どっちか一人なら運べるけど二人は無理だよ。


「大丈夫……じゃなさそうだね」


ひょっこり顔を出したのは涼太。


「涼太ぁ」


「みんなリビングに集まってんのに三人だけ来ないから心配した。


翔太は俺が連れてくから、佐久間は亮平よろしくね」


サラッと翔太を抱き抱えてリビングに向かった涼太を追って


阿部ちゃんを連れていこうとお姫様抱っこをしようとすると、


阿部ちゃんに睨まれた。


うん、涙目だし余計に可愛いね！


さすが俺の嫁！


「抱っこがいい」


グハッ、佐久間さんやられました……。


正面から抱き抱えるとすごい力でギュッとしがみついてくる。









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