検索窓
今日:21 hit、昨日:31 hit、合計:228,914 hit

想い集ひて(続き)【青に染まれ】 ページ35

nbside



「翔太ー?起きないと遅刻するよー?」


優しく肩を揺すられる感覚と阿部の声。


んー、もうちょい寝たい。


開きかけた目をまたしっかりと閉じる。


「っんはっ!?」


急に耳元に風を感じて飛び起きた。


何、何事!?


「はいおはよー」


ポカンとして布団をひっぺがす阿部の顔をガン見していると、阿部はケタケタと笑った。


「翔太って耳弱いんだね。これすぐ起きてくれていいわ」


最後真顔になるから怖い。


でもさ、「耳弱いんだね」ってヤバくない?


早く降りてきてね、なんて言って部屋を出ていこうとする阿部の腕を咄嗟に掴んで腕の中に引き込んだ。


「ちょ、翔太?」


戸惑って慌てている阿部の耳にかぶりつく。


「っ、、んぁっ」


しばらくハムハムしているとなんとも色っぽい声を出す阿部。


これ以上はもっとイタズラしたくなるからバッと阿部から離れてその気持ちを隠すように笑った。


「ガッハッハッ!阿部も耳弱ぇじゃん!」


「んもぅ!」


キッとこっちを睨みつけてくる阿部は怖くもなんともない。


何が言いたいか分かるだろ?


可愛いんだよ、バカ。


「なぁ阿部」


「ん?」


「好きだよ」


真っ直ぐに阿部の目を見据えて、ハッキリと告げる。


俺だって言うべきことはちゃんと言う。


普段はキャラじゃないだけ。


「……翔太のくせにかっこいいじゃん」


「なんだそれ」


照れてる阿部が面白くて笑ってしまう。


すると阿部が真っ赤な顔を覆ってしゃがみ込んだ。


「そんなに笑わないでよぉ!」


嘘だよ。


……可愛くて、だよ。


「答えはいいから」


「へ?」


答えがいらない訳じゃないけどさ。


付き合って欲しいけど、阿部が悩んでんのも分かってるつもり。


阿部が苦しまないように答えを出して欲しい。


「お前が納得するようにちゃんと考えろよ」


それだけ言って先に部屋を出る。


全部心の中で言っちゃった……


リビングに行くとすれ違った涼太に言葉にしないと伝わんないよ、なんて言われた。


俺の幼馴染最強すぎねぇ?


なんでそんなにお見通しなんだよ!






.

.【黄に染まれ】→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (237 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
538人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

めめさく(プロフ) - リクエストです。阿部ちゃんがストーカーにあっていて、襲われそうになっていたのを上の5人が気づき助ける話とその後に8人が過保護になり送り迎えをする事になった話をお願いします。難しい感じでごめんなさい。ゆっくりでいいのでお願いします。 (2020年11月28日 15時) (レス) id: 91efd8fb87 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた - リクエストさせて頂きます!お風呂&寝る時の順番を決めた時の話と、緑さんが酔っ払ってみんなの好きな所(営んでる時の話も。出来たらでいいんで)をみんなに話しちゃう話がみたいです!ふたつもすみません。出来たらでいいんで!いつも楽しく読ませてもらってます! (2020年11月17日 0時) (レス) id: 322141f863 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:名岡颯貴 | 作成日時:2020年10月28日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。