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第126話 ページ37

研究所を囲む霧の中に私達は入る
霧がかる森の中は視界が不明瞭だ

「ユイカ、あかいよー」

そんな中"私"が唯火を指差してそう言った
唯火の髪と瞳が赤くなっていたのだ

「この霧はね、ゲートの周辺に発生するもので、
 なぜか、魔力と似たものを含んでるんだよね…
 その力に反応して、異色が現れちゃうんだよ」
「ヘンなのー」
「そうよねー」
「…あ!言うのわすれてたことがあったんだった!」

突然"私"が叫んだ
その大声に唯火が驚く

「な、何?」
「あのね、ユイカ!私の記おくをけして!」
「え...?」

何の脈絡もない申し出に呆然とする唯火

「この記おくがあったらいけないと思うの」
「で、でも」
「おねがい」

唯火の赤い瞳に真剣な顔の"私"の姿が映る
唯火はしばらく考え込んだ

「…記憶を消していいの、本当に」
「うんっ」
「……わかったわ」

唯火は逡巡したがらも頷いた

「…あともう1つだけいい?」
「今度は何?」
「記おくを消したあと、ユイカはそのままもどって」
「なんで!?」

先ほどよりも驚く唯火に"私"は笑って、

「ぜーんぶの記おくが消えても、
 私のいしきのすごぉーく奥にはシーが眠ってて、シーの記おくは消えないの
 記おくを消すと気ぜつしちゃうから、シーが私の代わりにでてくるの
 ユイカはシーにあっちゃダメ。だから」
「なんで会ったらダメなのよ」

不満な様子を見せる唯火に"私"は目の前に腕で×を作る

「ダメったらダメー!!」
「…はぁ。ここまで来たら、それも聞いてあげるわよ
 でも、道はわかるの?」
「それはユイカも同じでしょー」
「うっ…それもそうだったわ」

唯火は道もわからないのに、"私"を逃がそうと思ったんだ…

「それよりっ、早くしないと、みんながユイカと私がいないことに気づくよー」
「それもそうね...」

唯火は立ち止まった
自然と"私"の足も止まる

「まぁ、とにかく...
 よかったね あの研究所から逃げ出せて」

ふわりと笑う唯火

「うん、ありがとう お姉ちゃん」
「ただの私の気まぐれだから」

ん?あれ、これって夢と同じ光景…?
え、でも唯火は姉がいるとかなんとか言ってて、てっきりその姉だと
……私の勘違いだったんだ

「さっきも言ったけど、本当にいいのね これまでの記憶を消して」

夢と同じく"私"は頷く

「じゃぁ、記憶を消すわね」

少女が私の額に手をかざす

意識が遠のいて___

「また、会えるかもしれないわね」

そう呟く唯火の声を聞いた

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設定タグ:魔法 , 記憶 , オリジナル   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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寒極氷化(プロフ) - 緋色 哀歌さん» まさかそんな評価がいただけるとは。ありがとうございます。マシだと思ってもらえるだけでも嬉しいです。 (2015年1月12日 13時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - 美燦雅★晏壽さん» んなわけあるかいなww (2015年1月5日 16時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
美燦雅★晏壽(プロフ) - 寒極氷化さん» わざと?w (2015年1月5日 16時) (レス) id: cad50b9778 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - 美燦雅★晏壽さん» ほんとや!!ww (2015年1月5日 15時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
美燦雅★晏壽(プロフ) - 寒極氷化さん» 121話だけ、「第」がないよ! (2015年1月4日 16時) (レス) id: cad50b9778 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:寒極 氷化 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kangoku/  
作成日時:2014年10月7日 18時

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