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第117話 ページ28

唯火SIDE

やっぱり追ってこなかった…

私は"人喰い"が狙ってこない事に安堵の息を吐き、結界を解除した

すると、声が聞こえた

『やはりお前が来たか
 お前の魔力量の多さも気になっていたのだ
 俺はその通路の先にいる
 そのまま進め』

その言葉に顔をしかめながら、先に進む
罠の可能性もあるが、その時はその時だ

この余裕たっぷりの男を必ず倒してやる

ミエラには悪いと思うが、私は最初から何を言われようともカインを倒すつもりでいた
やられっぱなしというのはどうも性に合わない

進んでいくと閉じられた扉の前にきた
扉には第3実験室とあった

苦々しい記憶が甦る

私はそれを振り払い、扉を開いた

そこは薄暗く、部屋の中央から少し外れた所に空っぽの巨大な円筒が1つ立っている

そして、その円筒の隣に深緑の異色を持つメガネの男が立っていた
もちろん、カインである
私の嫌いな不気味な笑みをその顔に張り付けている

さっさとその笑みを消し去りたくて、不意打ち気味に攻撃魔法を高速展開
巨大な火炎がカインに向かって放射される

床は黒ずみ、円筒は溶け、最奥の壁に焼け跡を作る
が、

「ふむ、先程の俺が幻だとは考えなかったのか?」

嘲笑うような声が真横から聞こえ、反射的に飛び退く

「クククッ」

不快な笑い声を発するカインは私がさっきまでいた所の真横に立っていた
だが、その姿もすぐに揺らぎ、私から最も離れた場所に出現する

そして、その姿が増え始めた
ある者は溶けた円筒の横に、ある者は扉の前に、またある者は天井に逆さに立って

どれが本物のカインかわからない
カインと相対した時、すでにその術中にいると考えるようにはしていた
だからその異様な現象には驚かない

そもそもが幻影魔法は高難度で、
カインの魔法は相手の意識がある状態で高精度な幻を見せれる、
幻影魔法の中でもトップクラスのものだ

だから、通常の幻影魔法の対処法は効かない
(例えばどこからが幻でどこまでが現実だったか認識する、など)

「カインはこの部屋のどこかにいるはず
 こんなに高精度の幻が広範囲で使えるはずがないし」

呟き、魔法陣を自分を中心に展開させる
その陣を部屋の床と同等の大きさまで広くした

あとは、呪文詠唱

「灼熱ノ炎ハ、我ノ味方
 ソノ炎、全テヲ燃ヤシ、敵ハ灰ト化ス」

陣の輝きが一層増し、熱風が頬をかすめた


私を中心に劫火が爆発的に広がる

天井にまで達する炎は部屋全体を包み込んだ

そして...

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設定タグ:魔法 , 記憶 , オリジナル   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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寒極氷化(プロフ) - 緋色 哀歌さん» まさかそんな評価がいただけるとは。ありがとうございます。マシだと思ってもらえるだけでも嬉しいです。 (2015年1月12日 13時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - 美燦雅★晏壽さん» んなわけあるかいなww (2015年1月5日 16時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
美燦雅★晏壽(プロフ) - 寒極氷化さん» わざと?w (2015年1月5日 16時) (レス) id: cad50b9778 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - 美燦雅★晏壽さん» ほんとや!!ww (2015年1月5日 15時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
美燦雅★晏壽(プロフ) - 寒極氷化さん» 121話だけ、「第」がないよ! (2015年1月4日 16時) (レス) id: cad50b9778 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:寒極 氷化 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kangoku/  
作成日時:2014年10月7日 18時

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