想いの丈がはかれたら 7

理想のカップルって ページ30

近くて遠い、韓国と日本の距離。

会いたくても会えない、僕たち。

長いといえば長い。短いといえば短い。

そんな半年。

ロケをしていた時に見つけたのは、並んで歩くカップルだった。


「あ、なんかテレビかなー？」

「だねー。」

「なんかさー。」

「うん、分かる。そんな気がする。」

「でしょ！やっぱり！」


僕はその姿を見てしまった。

主語のない会話が羨ましかった。

言わなくても分かるんだ。

アレ取って、とか。それでもって的確に「アレ」の内容を理解する。

無言で行う意思疎通。

僕はそのカップルの背中をずっと見送ってしまった。


僕たちに出来るだろうか。

いや、その前に…僕たちは並んで歩く事すら出来ていないじゃないか。

どうしたら…並んで歩いても責められないのだろうか。


ヒチョルヒョンに彼女の話をめっちゃふられたその日の夢。

彼女が泣いている夢を見た。

僕は側に行きたいのに、透明なガラスがあるのか行けなくて。

頭を撫でてやりたいのに、手が届かなくて。

何故泣いているのか聞いてあげたいのに、声が出なくて。

起きた時、僕の胸はざわついていた。

彼女が離れてしまうのではないかと怖くなってしまった。


1人落ち着かない状態で遭遇した、ドンへの姿。

結婚式のCMを見ていたドンへの些細な一言にあたってしまった。

けれどそれで気が付いたのだった。

自分が結婚を意識していた事に。

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