記念パーティー ページ3
私たちがこの芸能界に入ってから今まで、一度も週刊誌にすっぱ抜かれたことは無かった。姉弟仲が特別良くないわけでもないし、むしろ週一で会っているくらい仲が良いと自負しているつもりだ。二人きりでの外出はもちろん、生活習慣が終わっている翔太のために料理を作りに行ったりもしている。それなのに写真一枚も撮られたことがなかった。
それなのにまさか本人のポロリが原因になるだなんて。不謹慎極まりないけど、せっかくならすっぱ抜かれてみたかった。
「まじごめん」
「…まぁ、翔太らしいよね」
目の前の私が呑気なことを考えていることはつゆ知らず。縁バレ記念だ!つって勢いで開けたスコッチをちびちびと飲むこいつは、すでに頬が真っ赤だった。止めようにも「明日オフだから!!」ってはねつけられてしまったものだから放っておいている。にしては飲み過ぎだろ。
ぐでぐでになりながらスマホを触っている翔太は、大方エゴサでもしているのだろう。たまに眉間に皺が寄っている。何をしてるんだこいつは。
「翔太、もう寝よ。頭痛くなるよ」
「まだ……」
「ほら、水」
喉越しを鳴らしながら命の水を飲むこいつをよそ目に、つまみとボトルをせっせと片付ける。出来合いだったけれど、涼太くんに教わっていたレシピが大変役立った。うちのとは大違いだなぁ、また教えてもらおう、と静かに心に決め、ぼけーッとしている赤ちゃんを叩き起こす。
「しゃんとしな、明日お姉ちゃん仕事だからね?」
「ん゛ん゛〜〜」
「転ばないでよ」
千鳥足で寝室に向かった酔っ払い。何回か痛そうな物音が聞こえたけれど、スプリングが軋む音が聞こえたからきっと大丈夫なんだろう。布巾でテーブルを拭いて洗い物をしにキッチンへ向かう。残っていたポテサラとマリネをつまみながらグラスを洗う。静まり返った空間に水の音だけがするこの時間はやけに心地がいい。無心でじゃぶじゃぶ音を出しているとポケットから着信音が鳴った。マネージャーだ。
「もしもし」
『Aお疲れ、今大丈夫?』
「お疲れさま、大丈夫だよ」
『あのね、じつは――』
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みるく(プロフ) - 拝見させていただきました!面白すぎます☺️あと年齢は学年が3つ違うと思うので、3歳差があってると思います! (2023年4月13日 0時) (レス) @page9 id: dc78524574 (このIDを非表示/違反報告)
ち(プロフ) - 風呂さん» ありがとうございます!ではそのようにしてマシュマロ送ります!お手数お掛けしますが宜しくお願い致します! (2022年12月6日 21時) (レス) id: 05ca5d3cec (このIDを非表示/違反報告)
風呂(プロフ) - ちさん» その場合はプロフィールに貼ってありますマシュマロにて自分のアカウントIDとこの作品からアカウントを知った旨を送っていただければ承認致します。 (2022年12月6日 20時) (レス) id: 8fada28824 (このIDを非表示/違反報告)
ち(プロフ) - コメント失礼致します!インスタのdmなのですが他の方へのコメントにしていたやり方が自分のアカウントではできなかったのですがどうしたらいいでしょうか?? (2022年12月6日 20時) (レス) id: 05ca5d3cec (このIDを非表示/違反報告)
冬彩(プロフ) - 風呂さん» すみません汗 教えていただきありがとうございます🙇 (2022年12月6日 9時) (レス) id: b53e1848d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風呂 | 作成日時:2022年11月29日 16時