❄⛄スノ学⛄❄in生徒会室 (ページ8)

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▽ 青い初恋ページ8

渡辺side

めんどうだ

授業も、先生も、クラスメイトも、無駄に言い寄ってくる女子も全部。

だから、俺の友達はダンス部のメンバーと、ほんの少しだけ。
別に困ってない。十分それだけで楽しいから。
幼馴染の涼太は俺に厳しいようで甘い。
今日も授業をサボって保健室に居ても叱るのではなく授業に出よう、と声をかけに来るだけ。

なんてほぼ俺専用になっている保健室の窓側のベッドに寝転がり、半分寝ながら考えていたら保健室のドアが開く。

この時間だし、きっと涼太だろう。今は行きたくないな。

『しつれいしまー…あれ、先生いない』

聞き慣れない女子の声だった。
ベッドのカーテンが閉まっている事に気付いたのであろう、物音を余り立てない様に色々入っている棚の中から何かを探していた。

その時は寝起きで俺の機嫌が悪かったから、彼女に少しだけ強く当たってしまった。

「っせー……誰だ。」

思ったより低い声が出た。
するとその声に驚いたのかガタン！、と音を立てて驚いた、と声を上げた彼女は、どうやら消毒と絆創膏を探していたらしい。

こんなことを言うのもだが、女子なら、俺が誰か分かったら直ぐ黄色い声を上げて近寄ってくるのに、彼女はまるで俺が誰か知らないみたいな素振りたをする。
顔が気になって少しだけ顔を上げると首に巻かれたネクタイは赤色で、新入生だということがわかった。
俺の事、俺達(ダンス部)の事知らないのか…？

「消毒と絆創膏ならそっちの棚じゃなくてこっちの教卓の方。」

なんて普段の自分じゃ言わないような初対面の相手を気にかける言葉が出たことに少し驚いてその後すぐに消毒したのを見ると

「消毒おわったんなら出てって。」

なんて言葉が出た。嫌な奴、理不尽な奴、って思われたかな。
普段ならそう思われても全く気にしない癖になんで彼女からの評価が気になるんだ？イライラする…

そんな事を考えて掛け布団に潜っていたら涼太が俺を起こしに来た。どうせもう行かなきゃだと思ってたし大人しく着いていく。

涼太とあの女の子が話しているのにもモヤモヤするし、その後涼太が彼女に絆創膏を貼ってあげているのを見てさらに顔を顰めた。

「わかりやす…」

宮「どうかした？」

「いや、なんでもない」

宮「？」

認めざるを得ない、俺はあの子が好きだ。
初めて人を、異性を好きになった瞬間だったと思う。