Sleepers love (ページ28)

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お祭りがあるのは学校の先の駅なので、いつも通りの電車に乗る

つい癖でいつもの場所で乗り込んでしまったのだけど、なんとビックリ、目の前に翔太先輩が

携帯をいじっているようなのでこちらに気づいてないけど、あれは私が見間違えるはずがない

こんなチャンスないぞ！って思って声をかけることにした

『あの、翔太先輩、、？』

翔「え？っあ、あ、久しぶり」

『お久しぶりです…翔太先輩もお祭りですか？』

翔「あーそう。あいつらと」

あいつら、とは恐らくダンス部のメンバーだろう

彼女とって言われなくてよかったって安心する

翔「そっちは？」

『あ、私もリカとか康二たちと…』

翔「あ、康二たちも一緒なんだ」

と、ここで話題が終了してしまう

そしてちょうど次の駅で翔太先輩の隣が空いたので、座らないのもなって思ってお隣にお邪魔する

翔「浴衣着てきたんだね」

『はい。せっかくなんで。ちょっと動きにくいし意外と熱いんですけどね。笑』

翔「その、、似合ってると思う」

すごく小さい声だけど、翔太先輩がちらっとこっちを見ながら褒めてくれた

『え、あ、ありがとうございます。母がこれが似合うって選んでくれて』

翔「お母さん？センスいいんだね」

『うちの母デザイナーなんです。これも自分で作ったブランドで』

翔「まじ？すごいじゃん。かっけぇ」

『こんなこと言ったらマザコンって言われるかもしれないですけど、自慢の母なんです』

翔「いいじゃん、お母さん大事にする子いいと思うよ。うちの母親なんてただの主婦だし」

ちょっと浴衣を着てテンションが上がってるからなのか、翔太先輩との会話がスムーズに続く

今まで知らなかった翔太先輩の家族のことがちょっと知れて得した気分

あっとゆうまにお祭りが開催される駅についてしまって、もっと話してたかったなあって思いながらここで先輩とはお別れかあってさみしくなった

特に先輩はここで話が終わってしまうことに抵抗もないみたいだし、さみしがってるのは私だけか、、ってがっかりした

改札を抜けて、じゃあさよならってなるかなって思っていたら振り返った翔太先輩からは意外な質問が

翔「どこで待ち合わせ？」

『あ、改札出たところって言われたのでどことは特に…』

翔「こんだけ人いるし一人じゃ心配だから俺も合流するまで一緒に行くよ」

『え、いや大丈夫ですよ？』

翔「いや、俺が心配なだけ」

そう言って人混みに歩いて行ってしまったので追いかけた