Sleepers love (ページ19)

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よーい、パァン！

ピストルが鳴って一年生から2名ずつの選抜で学年ごと6人が順番に走る

うちは蓮がトップバッターだったけど、準備席だと一人だから大声出すのも恥ずかしくて、心の中で蓮がんばれ～って思って見ていた

そして3番走者になり、翔太先輩にバトンが渡る

トップはうちのクラスで、そのまま照先輩がバトンを受け取って走る

けど翔太先輩もそれにすぐ続く形でバトンを受け取って走り出した

3番走者はちょうど準備席の目の前を通るので、少し大きい声を出したら先輩に届くかも…

そう思ったら自然と大きな声が出ていた

『翔太先輩がんばれ～！！！』

そういったすぐ直後、翔太先輩が照先輩を追い抜いてトップで次の走者にバトンパス

ちょうど抜きやすい直線に差し掛かったからかなって思ったけど、自分の応援の直後だったからなんとなく貢献した気分でうれしくなった

結果はその後照先輩からバトンを受け取った宮舘先輩がふっか先輩と同着に持ち込み、3年生の先輩が頑張ったおかげでC組が見事一位

翔太先輩には申し訳ないけど、自分のクラスが優勝してよかった～って満足して、戻ってくる選手からゼッケンを受け取る仕事に切り替えた

『お疲れ様でした』

そう言って照先輩からゼッケンを受け取ろうとしたら

照「…Aちゃん俺のこと応援してくれなかったっしょ？笑」

と小声で言われてしまった…

『あ、いや、、えっと』

照「そのせいで俺頑張れなかったな～」

そう言ってニヤニヤする照先輩に何て言い返そうか考えていたら、

照「でも俺に聞こえたってことは本人にも聞こえてるよ」

そう言いながら頭をポンって撫でて行ってしまった照先輩だけど、その言葉にさらに恥ずかしさが増す

そしてすぐ翔太先輩もやってきた

『…お疲れ様です』

翔「応援ありがと。頑張れた」

小さい声で照れながらそう言ってくれた翔太先輩

何も言い返せなかったのはゼッケンを返すときに振れた手が一瞬握られた気がしたから

照れたからかすぐに行ってしまった翔太先輩の背中を見ながら、あこがれが好きって気持ちに変わっていってるのを自分の中で実感していた