Polaris ページ5
たっちゃんなら...
そう思って静かに目を閉じた。
...。
...あれ?
いつまでたっても来る気配がない。
恐る恐る目を開けてみる。
「嘘だぁあ!」
目の前で崩れ落ちながら、また夢の中に入ってしまっていた。
じゃあ全部寝ぼけながらやってたの...?
期待した私が馬鹿でした...。
「Aちゃーん?竜也起きたー?」
遠くからおばさんの声が聞こえる。
「はい!今起こします!」
「あら?Aちゃん?久しぶり!」
「え?あ、理衣亜さん!」
後ろを向くと、たっちゃんに似たべっぴんさんの女の人がいた。
理衣亜さん。
たっちゃんのお姉ちゃん。
モデルさんになれそうなくらい容姿が綺麗なのに、彼氏もいないらしい。
今は会社員で、家を出たって聞いてたけど...。
「どうしてお家にいるの?」
「あぁ、ちょっと忘れ物をね。で、どうしたの?こいつ起こすの?」
確実に視線はたっちゃん。
「そうだよ。中々起きてくれなくて。」
「あらー、良いのよ、竜也には手加減しなくて。
例えば、こーやってっ!」
どすんっ
鈍い音が響く。
「いだいいだいっ!いてぇって!」
「あらぁ、起きたら最初は 痛い じゃなくて、おはよう っていうのよぉ?」
「はよ...って姉ちゃん!?」
「よく出来ました!じゃ、Aちゃん、あとはよろしく!」
「はぁい....」
そう言うと理衣亜さんはつかつかと出て行ってしまった。
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:伽羅 | 作成日時:2015年2月1日 6時