クオズの嫉妬 5 ページ22
V side
自分の口から出た言葉に驚いた俺
たぶんすげーマヌケな顔になってたはず
だって…
好き、だなんて…
隣を見れば
糸目を見開いてキョトンとしてるジミン
でも、そんな俺らをよそに
にっこり笑うだけで、何も言わないハジメ先生
イライラした。
「なんで先生はそんなに余裕なわけ？
Aヌナ、俺に取られちゃうかもよ？」
なんて、つい声を荒げてしまう
世間のイメージなんて興味はない
だけど、そんなのだいたい想像はつく
女慣れしてるとか、遊んでるとか…
どうせそんなとこだろ？
でも、実際の俺は
『人間が好き』ってだけなんだ
人間って面白いから…
老若男女問わず
見てるのも仲良くなるのも好きなだけ。
まともな恋愛経験なんて、実はない
「好き」って言われたら嬉しいし
「付き合って」って言われたら断れなくて
無駄に数だけ重ねたソレを"恋愛"なんて呼べない
しかも、その『人間が好き』ってやつも
だいぶ前の話なんだ
この世界で出会った
汚い"大人"や"女"や"友達"…
そんな奴らのせいで
今じゃすっかり…
『人間不信』なんだから
"純粋で人懐っこいテテ"なんて
もうどこにもいない
それなのに
いつの日からだろう…
そんな"テテ"を演じるようになった
俺も周りとおんなじ
汚い大人に成り下がったんだ
そんな俺がAヌナを"好き"だなんて…
この俺が"恋愛感情"を抱くなんて…
そんなの、ありえないと思った。
でも、これはそういうことなのか？
俺、ヌナが好きなのか？
そう考えれば
胸の奥の痞えがストンと落ちたみたいにスッとした
そっか…そうなのか…
そっか！好きだったのか！
好きなのか！俺が！Aヌナを！
一気に、嬉しいような照れ臭いような
そんな感情が溢れてくる
その感情が
純粋に笑えてた昔の自分を思い出させる
でも、そんな俺に降ってきたのは
容赦ないハジメ先生の言葉
「んー。テヒョンじゃAさんは無理かな〜
もっと強力なライバルがいるからな、あはは。」
でも、その声に力はなくて…
切なそうに浮かべた苦笑いは
さっきまでの余裕の笑みとはまるで違う
「「ライバルって…」」
俺とジミンの声が揃ったところに
「…EXO、ですよね？」
聞き覚えのある声がして振り返る
そこにはいたのは…
ハジメ先生みたいに
切なそうに微笑んでる
ジニヒョンだった。
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rublue(プロフ) - このお話が大好きで大好きで、何度読んでも魅力が全く薄れません。書いてくださってありがとうございます(つд⊂) (2021年6月25日 23時) (
レス) id: c62f00b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
ｨｭ(プロフ) - りんさん» ありがとうございます^ ^のんびりですが書き溜めているので気長にお待ちを…^ ^ (2021年2月28日 20時) (レス) id: 96016f3247 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - とっても大好きな作品なのでお時間ある時にでも更新待ってます！ (2021年2月27日 4時) (レス) id: 0e01852db4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｨｭ | 作成日時：2020年10月14日 20時
