SMの初恋 III

初恋の呪縛 7 ページ7

YOU side



ヒチョリおっぱを初めて見たのは
スンアのお葬式だった

泣きじゃくるその姿を
今でもはっきり覚えてる


次に会ったときは
わたしを抱きしめながら
スンアを想い、一緒に泣いてくれた



誰かにはっきり聞いたわけじゃない

おっぱ本人からも聞いたことはない



それでも、ヒチョリおっぱにとって
スンアが大事な人だったってことはわかってた







雨の降る夜は大嫌いだ

父とスンアが亡くなった日を思い出すから



そんな話をした雨の降る夜



わたしを抱きしめながら

「A、好きだよ
ずっと俺の傍にいてよ、少しも離れないで」

そう言ったのはヒチョリおっぱだった



ﾋﾁｮﾙ「これからは夜に雨が降ったら
俺のことを思い出してよ」

U「…」

ﾋﾁｮﾙ「Aの気持ちも聞かせて…
俺のことどう思ってる？好き？嫌い？」



ずるい、わかってるくせに



先に言葉にしたのはおっぱからだけど
好きになったのはわたしの方が先だったと思う



U「好き、ヒチョリおっぱ、大好き…」



抱きしめ合ったまま
お互いに顔は見えないまま


今おっぱはどんな顔してるの？

わたしはきっと真っ赤な顔してるだろうな


そんなことを考えながら
おっぱの背中に回した手に力を込めた


どこにもいかないで…

ずっと傍にいて…





それからは幸せな日々が続いた


しばらくして
本格的に事務所で働き始めたわたし

グループだけじゃなく個人の活動も増えたおっぱ


お互いに忙しくて
会えない日も増えていったけど

好きって気持ちは変わらなかったし
寂しくても平気だった





あの日のあの瞬間までは…






それは、またも雨の降る夜で



おっぱからの告白で
一度は綺麗に上書きされたはずだったのに



結局わたしは今も
雨の降る夜は嫌いだ

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