SMの初恋 III

初恋の呪縛 6 ページ6

DONGHAE side



ヒチョリヒョンが
スンアの妹だというAを連れて来たとき




ﾋﾁｮﾙ「みんな、面倒見てやって」




…デジャブ？

どこかで見た光景だぞ？




あぁ〜！！
昔スンアの手を引いて練習室にやってきた
あの時のヒチョリヒョンと同じだ！！




ヒョンから話を聞けば…

Aはスンアが亡くなってから
大変な思いをしてきたようだった




可哀想だとは思ったけど
同情とは違う

ただ、Aが可愛かったから

だから俺たちはみんなでAを可愛がった





一瞬スンアに似てると思ったAだけど

明るい笑顔と人懐っこい性格は
スンアとは全然違ってた



俺は、人見知りでなかなか心を開いてくれない
そんなスンアが好きだったんだけど

Aのことだって可愛くて仕方なかった



スンアには恋心だったけど

Aは本当の妹みたいに思えた





スンアが亡くなってから
目を背けたくなる程ひどく落ち込んだヒチョリヒョン

ずっと不安定な精神状態のままで
いつか壊れてしまうんじゃないかと思ってたから


Aがいてくれることで元気を取り戻し
安定し始めたヒョンを見て

よかったってホッとしてたんだ






だから、ヒチョリヒョンがAを好きだと言い

Aもヒチョリヒョンを好きだと言った時…





俺は行き場のない怒りと虚しさに泣いた





なんでだよ…

スンアが可哀想だよ…



スンアはヒチョリヒョンが大好きだったのに

ヒョンだってスンアのこと好きだったじゃないか


どうして！どうしてスンアの妹なんだよ！



Aだって、それでいいのかよ！

きっとヒョンはAをスンアに重ねてるだけだ

そんなんじゃ、いつかAが傷つくことになる





俺だけじゃなく2人の関係を知る人はみんな
付き合うことに大反対したけど

恋愛なんて他人が口を挟んだところで
当人同士の問題なわけで


事務所に隠れてこっそり付き合い始めた2人





でも、しばらく2人を見ていて思ったんだ




ヒチョリヒョンは
スンアに似たAが好きなんじゃない

ちゃんとA自身を愛してあげてる


Aもヒョンを信頼して甘えているようだった




初々しくて微笑ましいカップルだった




だから、俺たちは2人の幸せが続くように


時にはマネージャーに嘘をついて
こっそり会う手伝いをしたり

2人きりで会えないときは
みんなで一緒に遊んだり


そんな風に
できることで応援していたんだ

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