雪は舞って闇に咲く弐 (ページ29)

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一方地上で深澤たちが暴れている頃、ラウールと織山は地下の牢屋に無理やり入れられていた。

『ほら、入れ。』ガチャン

ラウールは必ず八人が助けに来てくれると確信していたのでそこまで不安にならずに済んだ。

ラウールたちを連れてきた男たちが扉から出ていくと、見知った顔たちが近づいてきた。

ラ｢！！平塚くん！？豊田くんも他の皆も！｣

そう、そこには目黒組で苦楽を共にした子供たちの姿が多くあったのだ。
その多くが頬が痩け、身体中に傷が見られた。

豊｢ラウールと織山まで捕まっちゃったんだな…｣

織｢！ねぇ、皇輝くんと星輝くんは？｣

はっと誰かの息を飲む声が聞こえた。

皇｢…ここに、いるよ。｣

星｢ちょっとお兄ちゃん動いちゃダメだって！｣

星輝に支えられ出てきたのは、他の子供たちの奥から出てきたのはより一層傷だらけで足を引きずる皇輝だった。

思わずその姿にラウールと織山の二人が駆け寄る。

織｢皇輝くん…俺がもっとしっかりしてれば…｣

皇｢あぁ、織山も捕まっちゃったのか…あの後どうなった？｣

織｢うん、二人が庇ってくれたおかげでちゃんと助かったよ。ありがとう。俺たちね、みんなを助けに来たんだ。｣

皇｢え？｣

ラ｢そう、みんな聞いて！僕たち…｣

皇｢ちょっと待て、大事な話だよな？彼奴らに聞かれたらまずい。昔のやり方でやろう。｣

皇輝がそう言うと、集まってた皆が声が聞こえる範囲の場所にばらけ、それぞれ寝転んだり座ったりした。