雪は舞って闇に咲く弐 (ページ28)

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三人が警戒しつつ階段をおりていくと
『な、なんだお前らっ、ぐは…』

階段の先に武装した男が二人立っていたが仲間を呼ぶ前に岩本に腹を殴られ気絶した。

階段をおりると、そこは廊下で道は左右に別れていた。

岩｢どっちに行けばいいかわかんないね｣

するといきなりドッカーンと大きな音がした。

ラウールたちに何かあったのかもしれないと岩本と目黒が顔色を変える中、阿部だけは冷静だった。

阿｢よし、あっちにいるみたいだね。敵も集まってくるだろうからすぐに攻撃できるようにはしておいてね｣

走りながら目黒は阿部に疑問をぶつけた。

目｢ちょ、阿部くんどういうことっすか？｣

岩｢ちゃんと説明してくれよ｣

阿｢ん？あぁ、今の爆発はラウールに渡しておいた小型の閃光弾だよ。音の割に爆発力は少ないから敵に何かしらの反応があった時に投げるように言っておいたんだ。まともに見たら数十分は目が見えないよ｣

岩｢じゃあラウールたちに何かあったかもしれねぇのか？｣

阿｢かもしれない。｣

目｢じゃあ急がないと！｣

岩｢あぁ、もうちょい早く走るぞ｣

阿｢ちょ、ちょっと待って…｣

戦闘要員で体力があまりある岩本や戦闘中に素早く動くことが求められる目黒と、普段は指示出しで特に動かない阿部との体力の差は歴然だった。

阿｢へ、ちょっと照なにやってんの！？｣

岩｢ああもうめんどくせえな。ついたら下ろしてやる。喋るなよ舌噛むぞ。｣

岩本は肩に阿部を担ぐとそのままの速さで廊下を爆走した。

その光景を見て目黒は｢さすがパパ…｣と呟いた。