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深｢え？｣
深澤たちが不思議な顔をする中、その名を聞いて光宗は顔色を変えた。
義｢な、なぜお前が美代を知ってるんだ…！｣
佐｢答えろ。桜門美代を知っているよな？｣
義｢ああ、知ってるとも。それがどうした！｣
佐｢それがどうした…だと？｣
佐久間は開き直った光宗の返答に更に怒り狂う。
そして彼から出た言葉は意外なものだった。
佐｢俺はなぁ…桜門美代の息子だ！！｣
阿｢え…｣
佐｢さっき…そこの清さんから全部聞いたよ。｣
そう佐久間は薙刀使いの男をちら…と見る。
佐｢俺の、会ったことも見たことも記憶にねぇ母ちゃんはお前のせいで死んだんだ。お前に手篭めにされて、宿った俺を、憎いお前の血を引く俺を庇ってなぁ！｣
血走った目で叫び、肩で息をする佐久間の肩を阿部がそっと後ろから支える。
阿｢佐久間…｣
義｢…あいつの事はよく覚えてるよ。後継者となるお前を引き取ることに執拗いほど抵抗していてな。あの日もお前を迎えに行った俺の肩を傷つけやがった。お陰でもう右肩は刀も握れねぇ。俺はただあいつの、桜門家の血が欲しかっただけなのになぁ！
まぁ、あの煩い女も心臓に一発で動かなくなったよ。お前の母親は呆気ない終わりだったよ！。
…よぉ清助お前だったんだなぁ。あの晩赤ん坊を抱えて逃げ去ったのは。顔が変わっていたから気づけなかったよ。御堂清助。美代の付き人だったお前がまさか、なぁ？｣
清｢…あぁ、お嬢様が私に授けてくださった最期の命令だ。お前の、悪人の手からお嬢様の宝である大介様をお守りするようにと！父親がどれだけ悪人でも、産まれてきた子供に罪は無いのだからと！
…その言葉通り私は桜門家の屋敷から三日三晩走ってお前たちから逃げた。行く宛もなくボロボロになっていた私を助けてくれたのが三宅殿だった。大介様ごと私を匿ってくださった。そこでお願いしたのだ、大介様をお守りくださるように、と。｣
衝撃すぎる過去に一同は黙るしか無かった。
彼を除いては。
佐久間はいまだに肩に手を添える阿部から離れ、一歩光宗に近づき、こう問うた。
佐｢俺の母ちゃんを殺したことを…一度でも後悔したか？｣
義｢はっ、後悔？あぁそうだな、桜門の血筋が途絶えたことは残念だよ｣
佐｢…そうか。｣
そう言うと佐久間は持っていた薙刀を大きく振りかぶった。
深｢佐久間！｣
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作者名：さすけん | 作成日時：2020年6月2日 1時
