雪は舞って闇に咲く参 (ページ50)

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向｢ほらこれ飲み｣

向井は金内の症状から考えて解毒剤になるであろうものを幾つか配合して金内に手渡した。彼は自分が殺しに毒を使う分、その解毒についてもよく分かっていた。

向｢で、どうゆうことなん｣

薬を飲んで落ち着いた金内はぽつりぽつりと話し出した。

失踪したあの日、かねてから探していた生き別れの妹の手がかりが見つかった。数年かかって居場所を特定したが、妹は花魁として身を売っていて連れ去るしか方法がなかった。そしてその作戦の為に良くない連中と手を組んだ。妹は無事に脱出できたが金内の強さを知った連中は彼女を人質にして金内を悪巧みに利用した。妹の命より他に大切なものは無いとはいえ、良心の呵責に耐えきれず、被害者の家に金を積んでいたという。

向｢じゃあ妹ちゃんは…｣

金｢康二に渡した紙の所にいるはずや。けど俺らが基地に帰らんなったら裏切ったのがばれるのは時間の問題…その前に彼奴連れ出さんと…！｣

向｢二人やったら何とかなるな！｣

金｢え？｣

向｢妹ちゃん助けに行くんやろ？大事な相棒の妹なんて、ゆーたら俺の妹みたいなもんやろ！｣

金｢…ありがとう、康二｣

向｢ほんじゃあ行こか！｣