雪は舞って闇に咲く参 (ページ4)

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まだ東の空が白みかかっている当日の早朝、雪桜隊は全員志田野家の門の前に整列していた。欠伸を噛み殺す者や立ったまま半ば眠っている者もいる。

ちなみに彼らが秘密軍であることは知られてはならないので、志田野家の人たちには滝沢の紹介で腕のたつ元軍人たちの何でも屋が警護する、ということになっていた。

深｢来たぞ｣
深澤が小声で合図をすると全員が姿勢を正した。

志父｢これはこれは…雪屋の方々ですね。娘をよろしくお願いしますよ｣

深｢志田野さん、お任せ下さい。美雪さんは我々雪屋が無事に浪花までお連れ致します｣

志父｢頼みましたぞ。そうそう、これがお泊まりになっていただく宿です。志田野の名で皆さんの分もとっておりますので｣

深｢ありがとうございます。では、｣

志父｢よし、籠を持ってきなさい｣

志田野が奥に呼びかけると美雪が入っているだろう籠とその後ろに嫁入りのための贈り物であろう品々が運ばれてきた。

深｢よし、じゃあ康二と佐久間が先頭ね、籠の前行って。阿部ちゃんと照が全体の一番後ろで俺、舘さん、翔太が籠を囲む感じで。ラウと目黒は隠れて着いてきて変なやつらが居ないか確かめてて｣

深澤はそれぞれが配置についたことを確認して出発の号を出す。

深｢よし、出発しよう｣