雪は舞って闇に咲く

＊ ページ45

阿部と岩本、宮舘がようやく半分の敵を倒した時。

そこで佐久間が背後に阿部がいないことに気づく。

佐｢阿部ちゃん！？ 照！阿部ちゃんが後ろに居ないんだけど！｣

岩｢は！？｣
岩本は目の前の敵を切り捨て周りを見渡した。するともはや自分たち以外に人が一人も立っていない。いや、一人だけ。そこにいたのは


岩｢阿部！？｣

岩本が近寄ろうとすると

阿｢あぁ、待って！こっち来ちゃダメだよ。｣

阿部はそう言って剣をしまいながら敵を踏みつけ、岩本たちの方へと合流した。

岩｢お前、有段者だったのか？｣
見た目では判断してはならないとはわかっていたが、岩本には阿部の細身の体じゃあんな大人数を無傷で倒せるとはどうしても思えなかったのだ。

阿｢まさか、笑。普通に戦ったら死んじゃうよ。そうじゃなくて…これ｣
阿部が懐から液体の入った瓶を取り出した。

佐｢それなに？｣

宮｢…毒？｣

阿｢そう！俺は毒で戦うの。皆より強くはないけど、足でまといにはなりたくないんだ。まぁこんな大勢と戦ったのは初めてだったんだけどね。｣

岩｢いや、十分じゃねぇか。なんなら俺ら三人でようやく阿部と同じだけ倒してるんだから｣

阿｢いや、もっと精度をあげないと。あと今回初めて大勢に囲まれての実戦だったから色々改善点か見つかったよ。毒も一種類じゃなくて幾つか混ぜた方がいいのかも…｣

宮｢…なるほど、参謀の噂の変わり者は阿部だったのか｣
何かを考え込んでいた宮舘が呟く。

佐｢あー！聞いたことある！参謀にやばい奴がいるって｣

阿｢えーちょっとそれは失礼すぎない？｣
それを聞いて阿部は頬を膨らますが

岩｢いや、お前あの光景見せられた後でその顔しても可愛くねぇぞ笑｣


四人がそんな話をしているうちに始末してきた深澤と渡邉が合流し、阿部の雪桜隊としての初めての任務は完了した。








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マシュマロにリクエスト送ってくださった方、阿部ちゃんの設定を生かすお話、こんな感じでよろしかったでしょうか？長くなってすみません！

これからも作者共々、この作品を愛してくださいますよう…



まだまだリクエスト、感想お待ちしております！

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