雪は舞って闇に咲く

零という数 ページ3

千吉が何者かに殺されたという話が町中を駆け巡っていた朝。深澤は台所から漂う香りに釣られて目を覚ました。


深｢んぁ〜 おはよう｣

宮｢おはよう、ふっか。朝ごはんの用意できてるよ、座って｣

深｢ありがとう。昨日も遅かったのにごめんな｣

宮｢毎朝この時間だからもう勝手に目が覚めるよ笑
あ、それ阿部が滝沢さんに持っててもらう資料だって言ってたよ。｣

深｢阿部ちゃんもう寝ちゃったかな？｣

宮｢ふっかが起きてくるちょっと前にね。徹夜で作ってたみたいだよ｣

深｢阿部ちゃんにもお礼言っとかないのとな｣

2人がそんな話をしているとトントンと階段を降りる足音がする。


佐｢あれ〜？ふっか帰ってたの？｣

この家で1番小柄で1番うるさ…元気な、雪桜の切込隊長、佐久間大介だ。黒髪が多いこの町では珍しい、色素の薄いふわふわの髪をくしゃくしゃと弄りながら階段をおりる。


深｢ああ、昨日任務終わったんだよ｣

佐｢今回は短かったね、1週間だっけ？あ、舘様俺もご飯もらっていい？｣

深｢まぁ大したこと無かったしな｣

佐｢ふーん。あれ？照は？｣

宮｢走りに行ってるよ｣
コト…と、佐久間の前に皿を置きながら宮舘が答える。


佐｢舘様ありがと。さすが照だよねー。俺にはできねーわ笑｣

深｢俺も無理だわ笑｣

宮｢あ、ふっか時間やばいんじゃないの？｣

深｢あ、やっべ。行ってくる！舘さんご馳走様！｣

宮｢お粗末さまでした。いってらっしゃい！｣


深澤が資料を片手にバタバタと出ていった。

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