検索窓
今日:40 hit、昨日:23 hit、合計:163,974 hit

episode_nineteen ページ19

「おい、コラ、カプリス。服を食べるな」



「待て!逃げるなカプリス!!」



「どこで手に入れたその金貨……!」



「カプリス!!……はあァァ………」



Aは暴れまくる二フラーに手を焼いていた。部屋が荒れたり、金貨や宝石を色んな所から盗み出し、Aが捕まえようとするとスルリと逃げるのだ。

「………………」

椅子にもたれ掛かり、眉間に手を置いた。
二フラーはAの腕の中で逃げようともがいていた

「お前は……少しは大人しく出来ないのか。」

二フラーはキョトンとした顔でAを見つめた。

が、次の瞬間手に持っていたガリオン金貨をAの顔に投げつけた。

「いっ……それやめろ!」














疲労困憊のAは授業中、機嫌が最悪だった
しかも今日はクィディッチの試合当日。
皆がソワソワしてる中、授業を続けるのは本当にやりにくい。
諦めて今日はもう自習にしようと部屋に戻った。

が、

「おい嘘だろ。とうとう自室にまで現れたな」

「ちゃんとノックはしました。先生、大丈夫ですか?」

ベッドに横になって、天井を見つめていると急にセドリックの顔がにゅっと出てきたのだ。

「……っはぁ…俺は君が嫌いになりそうだ。」

「冗談辞めてくださいよ先生。にしても……教室とは違って散らかってますね。」

セドリックが部屋を見渡しながら言う。
Aの部屋の家具は白で統一されているが、部屋は汚かった。
書類が床に散らばり、薬草などが机に置きっぱなしになっている。
唯一、綺麗なのはベッドだけだ。

「ほら……もう自分の寮に戻れ。」

ベッドから降りて、セドリックの背中を押し、扉へと促す。
大人しく扉を開けて出て行くと、後ろを振り向いて、「お大事に」とにっこり笑って言った。

「……見かけによらず問題児だな」






Aはクィディッチの試合には行かなかった
興味がなかったのだ。
人一人いない校内を彷徨いていると、慌てた様子でクィレルが走っていた
そして、Aの目の前で横転した。

「……あー、大丈夫ですか」

「ひっ、あ、あぁ、グレイ、せ、先生。大丈夫、です。」

少し顔が青い。
クィレル先生に触れようとすると、思い切り手を払われた。

「……クィレルさん?」

「…………」


彼は何も言わず、走ってその場を去った。
Aは去っていく彼の背中を見つめる事しか出来なかった。

episode_twenty→←episode_eighteen



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (210 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
490人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ベルモット - 初コメ?です。生徒目線が多いので教師目線の話が新鮮でした。大人の事情が含まれる出来事も勘付く年頃になって痛感することがあります。 (5月16日 14時) (レス) id: f174f30836 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - フォールさん» ありがとうございます……✨✨そう言って貰えて嬉しいです!!(;´༎ຶٹ༎ຶ`)秘密の部屋編でもグダグダするとは思いますがこの作品をよろしくお願いします😊😊 (2023年1月24日 23時) (レス) id: 06c201b8c1 (このIDを非表示/違反報告)
フォール(プロフ) - 賢者の石編完結おめでとうございます!!感動的なストーリーやキャラたちとの絡みなどとても楽しく読めました!秘密の部屋編でも頑張ってください!!応援してます!!! (2023年1月23日 17時) (レス) @page41 id: eb505c02be (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 塾から帰ってきて、覗いてみたら更新されていてめちゃくちゃ元気になりました(*≧∀≦*) (2023年1月14日 23時) (レス) @page36 id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - 真昼さん» コメントありがとうございます(ᵒ̴̶̷ ᵒ̴̶̷ )✧‧˚応援してもらったのでめちゃくちゃ頑張りたいと思います(ง ˙-˙ )งこれからもこの小説をよろしくお願いします! (2023年1月14日 10時) (レス) id: 06c201b8c1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:とある緑の生徒。 x他1人 | 作成日時:2022年10月31日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。