episode_twenty-six ページ26
雪合戦では大人気もなく、ウィーズリー兄弟をボロボロに打ち負かした。
「大人気ないぞ!」
「勝てばいいんだよ勝てば。第一に俺を誘ったのはお前らだからな」
ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべれば双子はさらに抗議した。
パーシー・ウィーズリーはというと、あまりにも弱すぎて地面に倒れていた。
「おら、これやるから暖を取れ」
Aが渡したのは「カイロ」だった。
「これなんだい?」
「ただの粉の入った袋?こんな物じゃ暖まらないよ。」
「マグルの暖を取るための道具だ。振ってみろ」
ウィーズリー双子は言われた通りに振ってみる。すると、驚いた事に徐々にカイロは温まっていく。
「!すっげぇ……暖かくなってる」
「これ何処で貰ったんだい?先生」
「秘密だ。ほら、そこの兄も連れて帰れよ。」
そう言うとA立ち去った。
凍える身体を自室の暖炉で暖めていると、扉の外からコンコンと音がした。
「どうぞ」
そう聞こえるように言うと、そこに居たのはクィレル先生だった。
腕を擦りながら部屋に入ってくる。
どうやら怪我をしたようだ
「……あー、切り傷ですか?それとも薬品による怪我?」
「や、薬品による、け、怪我です。」
確かに火傷のように赤く腫れ上がっていた。
Aは戸棚から包帯と薬品を取り出し、クィレルの腕にその薬品を塗った。
たちまち腫れが引き、まだ赤いが確かに効いていた。包帯を巻き付け、「終わりましたよ」というとクィレルは自分の腕を見つめたまま、何も言わなかった。
「……クィレルさん?」
「ひっ……え、えぇ…あぁ、終わりました、か。」
「何か……他にもありますか。」
Aはふと疑問に思う。
なぜ医務室に行かないのだろう、と。
マダム・ポンフリーは簡単な怪我なら難なく治せる。
でもクィレルは医務室じゃなく、Aの部屋に来た。
クィレルの瞳が揺れる。
浅い呼吸音が聞こえる
Aはこの瞳を見た事がある
彼は助けを求める様なそんな目をしていた
「……ゎ、私、は」
クィレルが口を開く
「私、を、……」
が、その口はすぐに閉じた。
逃げる様に部屋から出て行く
「……」
まるで、
「私を助けて」
と言っているようだ。
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ベルモット - 初コメ?です。生徒目線が多いので教師目線の話が新鮮でした。大人の事情が含まれる出来事も勘付く年頃になって痛感することがあります。 (5月16日 14時) (レス) id: f174f30836 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - フォールさん» ありがとうございます……✨✨そう言って貰えて嬉しいです!!(;´༎ຶٹ༎ຶ`)秘密の部屋編でもグダグダするとは思いますがこの作品をよろしくお願いします😊😊 (2023年1月24日 23時) (レス) id: 06c201b8c1 (このIDを非表示/違反報告)
フォール(プロフ) - 賢者の石編完結おめでとうございます!!感動的なストーリーやキャラたちとの絡みなどとても楽しく読めました!秘密の部屋編でも頑張ってください!!応援してます!!! (2023年1月23日 17時) (レス) @page41 id: eb505c02be (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 塾から帰ってきて、覗いてみたら更新されていてめちゃくちゃ元気になりました(*≧∀≦*) (2023年1月14日 23時) (レス) @page36 id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - 真昼さん» コメントありがとうございます(ᵒ̴̶̷ ᵒ̴̶̷ )✧‧˚応援してもらったのでめちゃくちゃ頑張りたいと思います(ง ˙-˙ )งこれからもこの小説をよろしくお願いします! (2023年1月14日 10時) (レス) id: 06c201b8c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とある緑の生徒。 x他1人 | 作成日時:2022年10月31日 18時