【53】 静かな波 −M− 《2014.7.21》 ページ8
･
･
女性から、全身の力が抜けたのを確認し…ベッドから降りた後、サングラスを着ける。
･
「これで…大丈夫ですよ。」
･
気を失ったままの女性に、声を掛けた………
･
･
普段…
俺は自ら、悪霊魂を見つけ出す。
相手は、所謂…《色情霊》。
死後も…実らぬ恋愛に固執する余り、悪霊魂へと堕ちたもの。
元々、色情に執着が強かった為…死後、悪霊魂へと堕ちたもの……等。
そんな輩を捜し出し、狩るのが…
俺の役目だ。
･
女性を部屋に残し、ホテルを出る。
･
「まだ…匂うな。」
･
“今夜も…まだまだ、帰れそうにないな。(苦笑)”
･
軽く肩を竦(すく)めて…
また、夜の街へと紛れ込んだ………
･
･
･
結局………
あれから、三体の悪霊魂達を狩り…
街を離れたのは、夜明けの足音が近付く頃だった………
･
･
車を走らせ……
夜明け前の海を、眺めに来た。
･
誰もいない、静かな砂浜で…
ただ……
波音だけを、耳にしていると…
自然の中に似つかわしくない、無機質な電子音が響き始めた。
･
「……もしもし。」
『紫堂ちゃん？』
「藍野…さん？」
『正解〜♪』
･
藍野智は…
ともすれば、波音に掻き消されそうな程の音量で…
愉しげに、応えた。
･
「どうしたんですか？」
『ん〜？ あれから、どうしたかなぁ〜と思って。』
「あれから…は……」
･
凛とした、彼の姿を…
あの、瑠璃色を思い出し…
何故か、次の言葉を繋げなくなった。
･
『……お疲れ様。』
･
穏やかな、その声に…
何故か……
胸の奥が、チクッ…と……傷む。
･
『紫堂ちゃん。今、どこ？』
「今…は……海、です。」
『海？』
「はい。」
『……もう、帰る？』
「えっ…？」
･
藍野智が、何を言いたいのか…
その意思を、測りかねていた………
･
『もし、よかったらさぁ……迎えに、来てくんね？』
･
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 88人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美唯 - 更新待ってます。続き楽しみにしてますね (2015年10月8日 14時) (
レス) id: 14862b15c0 (このIDを非表示/違反報告)
美唯 - 更新待ってます。 (2015年10月3日 21時) (レス) id: 14862b15c0 (このIDを非表示/違反報告)
愁(ｼｭｳ)(プロフ) - MakIさん» MakIさん◆ 通知が来なくて気付くのが遅くなり、お返事が遅れまして…誠に申し訳ありません。m(__)m コメント頂けて、本当に嬉しいです！ MakIさんの言葉で、また力が湧きました。お時間のある時に、また来てやって下さい。よろしくお願いします。(^o^)／~~ (2014年5月30日 3時) (携帯から) (レス) id: 2adada31bc (このIDを非表示/違反報告)
MakI(プロフ) - 愁さん♪私なんかが１コメですみませ〜ん。(^-^;;)でもこの作品が大好きなのでやっぱり来ちゃいました。薄くメンバーカラーを纏って現れてくるような画面を脳裏に描きつつ楽しませてもらってま〜す。 (2014年5月28日 6時) (レス) id: a44fe6c7e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：愁(ｼｭｳ)
| 作成日時：2014年5月6日 19時
