The Second【流川楓】 (ページ29)

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#27 ページ29

茜side

流川とAが出ていく前のこと。

Aは先に玄関に向かっていったので

流川に耳打ちをした。

茜「送ってきた帰り。私の家寄ってほしい。聞きたいことあるから。」

流川は面倒くさそうな顔をするが、どーせ来てくれる。

そろそろ来るだろうか。

と思った時、扉が開く音。

足音と共に次はリビングへの扉が開く。

茜「呼び出したりしてごめん。」

流川「べつについで寄っただけだし。」

はあ。ほんと可愛くないな。

Aが呼び出したりしたら飛んでくくせに。

茜「そこ座って」

と指を指し座らせる。

お茶を用意してテーブルに並べる。

茜「..こーやって2人なのも久しぶりだね」
流川「..そーだな」
茜「でさ。話なんだけど！」

流川がこっちをみる。

茜「単刀直入にきくけど。楓ってさ...」

外では流川と呼ぶように気をつけてはいた名前。
楓の方がしっくりくるので楓、と呼ぶ。

そんなことはどうでもいい。

茜「──Aのことすきなの？」

もしかして...というかほぼそうなんだろう。
楓は鈍感だから何か私に気づかせるきっかけがあれば。

そして楓は私の質問を聞くなり硬直する。

なにも言わない。肯定ととっていいだろう。

恋心を自覚できていたなら良かった。

安心して口角が上がってしまう。

茜「んふっバレバレ。じゃあ次の質問ね。」

表情を変え再びこっちをみつめてくる。

茜「──Aのこと..覚えてるの？」

楓は驚いたような顔をする。

流川「..忘れられる訳ねーだろ。」
茜「自分の事、思い出してほしいとか思わないの、？」
流川「あ？昔は昔だろ。無理に思い出させるもんでもねーし」

とは言いながらも寂しそうに目を伏せる。

流川「..まぁ言う時が来れば言うカモ。」
茜「っなんで。」
流川「あいつに相応しい男になるまで言えねー。」

楓がこんなこと言うなんてびっくりした。

楓は楓なりに考えてたんだね。

私が言う必要なかった。

茜「んーまあ。Aを渡すつもりなんてないけどね」

茜「ってか楓的にAに相応しい男ってなんなの」
流川「裕也さんよりすげー人。」
茜「...単純。」

それも覚えてたんだ。Aが小さい頃よく言ってたよね。パパよりすごい人じゃないと結婚したくないって。

流川「話も終わったみてーだし帰る」
茜「ん。わざわざありがと。」

背中を見送る。

閉まった扉を見ながら

楓はAのこと結構好きなんだね。と思ったらにやけがとまらない茜だった。